ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。17【no.1905】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1904)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「成長の流れにEコマースをのせる」についてご紹介しました。今回は「ヒット商品を広げる」についてお話します。

 前回のコラムでも紹介した「ヒット商品」という存在。ヒット商品を早い段階で生み出せるかどうか、ヒット商品になりえる商品をネットショップの商品数を増やしていく中で見つけることができるかどうかが序盤のEコマース事業を左右します。Eコマース事業の月商ゼロのフェイズから月商500万円までのフェイズ、そして月商1,000万円以上のフェイズにおいても、自社のネットショップにヒット商品が何本あるか、ヒット商品を超えた「メガヒット商品」が生まれるかがポイントです。

 ネットショップの商品数を増やす中でヒット商品の芽をデータから察知する方法は前回のコラムで少し触れました。今回のコラムは「ヒット商品を広げる」です。Eコマース事業を成長させるためには、ヒット商品をよりブラッシュアップし、多くのお客様に知ってもらえるように広げていくことが重要になります。

 まずヒット商品をブラッシュアップすることです。これはヒット商品「それ自体」だけではなく、ヒット商品の「提案力」を高めていくことと考えてください。以前ご紹介したように、売上は「商品力×提案力×集客力」で決まります。そもそもの商品力がなくては提案力や集客力も意味のないものになってしまいますが、「ヒット商品=市場において商品力のある商品」が見えてきたならば提案力を強化するタイミングだといえます。

 具体的におこないたい施策のひとつは商品ページの作り込みです。ヒット商品の商品ページについて、画像や商品説明文の改善、用途・目的をわかりやすくすること、商品製作の背景などストーリー的なコンテンツを加えていくのもアリです。またヒット商品の注文が増えてくれば、お客様からいただいたレビューやお客様がSNSに投稿してくれている内容など、客観的な評価として拡充できるコンテンツが増えていきます。Eコマース運営側が「この商品はおすすめ!」というよりも、お客様がお客様にたいして「この商品はおすすめだよ!」と伝える方がはるかに効果があります。

 また商品ページの作り込みの他に、ヒット商品の「売り方」にバリエーションを持たす方法があります。お客様の用途や目的に合わせて複数のセットで販売するページを作ったり、個人用と法人用でページを分けたり、ヒット商品の横展開や縦展開の商品を企画し販売する方法もあります。とにかくやりたいのは、ヒット商品を「軸」として、よりお客様に興味をもってもらうネットショップづくりがしたいのです。まずはヒット商品の提案力を高め「売る力」を高める。ヒット商品を展開しお客様の細かい目的にこたえる。これによって転換率(コンバージョン率)を高めていくイメージです。

 ヒット商品の提案力を高めていく上で、「お客様の動き」に注意を払うことが欠かせません。先に書いたレビューやSNS投稿(いわゆるUGC=ユーザー生成コンテンツ)を提案力の要素として活用する他、お客様の「買い方=注文内容」に気を配り、お客様がどのような買い方をしているのか(まとめ買いやセット買いなど)を分析していきましょう。場合によっては、ヒット商品をお客様がどのような用途に使っているのかを実際にヒアリングしてしまうのも手です。とにかく、ヒット商品を「軸」とした提案力を高めるために改善活動をおこない、データを活用してその成果を検証して、PDCAを高速回転させていくことです。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。