ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。20【no.1908】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1907)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「成長期のバックオフィス強化」についてご紹介しました。今回は「外的要因をキャッチする」についてお話します。

 インターネットは強者の武器です。まともに戦ったなら資本力のある企業に中小企業が勝てるわけはありません。価格競争、大量販売の展開になれば一時的に売上が伸びたとしても遅かれ早かれ大企業の餌食になってしまいます。中小企業が展開するとしたら「差別性」「付加価値」がテーマになります。低単価ではなく「違い」をつくることで高単価路線に舵をきっていかなければなりません。

 もうひとつ資本力のある企業に中小企業が勝てる要素があるとしたら「スピード」です。時代の変化、トレンドの変化にできる限り早く対応し、大企業がお客様のニーズにこたえる前に瞬間最大風速をキャッチしてしまうのです。中小企業という組織体系や中小企業という危機感が変化に対するスピーディーな対応を支えていきます。そのために活用したいのが、やはり「データ」です。毎日きちんとデータを見て、「データの変化=市場の変化」を最速でキャッチするのです。

 内的要因は自分たちでコントロールができる「施策」や「改善策」になりますが、中小企業の場合は資本力を活かした内的要因をつくれないのも事実。データから変化の原因、つまり「外的要因」を捕まえ、対応・対処をしていくしかありません。ポイントになるのは外的要因のキャッチの仕方と、対応・対処の仕方、そして外的要因のケースを活用したルーチン業務づくりになります。

 まず外的要因のキャッチの仕方ですが、基本は毎日同じデータを見続けることです。特に外的要因はEコマース事業における「アクセス数(セッション数)」に変化をもたらします。毎日継続してアクセス数を確認していれば、その変化に気づくことができます。Googleアナリティクスでは「リアルタイム」というデータを見ることができます。これはいま正にWEBサイトにどれくらいのアクセスがあるかを確認することができるものなのですが、このリアルタイムデータを常に閲覧できるようにパソコン上に設定するのもアリかもしれません。

 データとしての変化をキャッチすることができたとしたら、次に原因の特定です。ひとつは自分たちがおこなった内的要因の可能性があります。内的要因の場合はその後対策・対処の仕方は明らかです。これが外的要因だった場合、つまり「内的要因ではないと判断した場合」は原因の特定がポイントになります。お客様の検索キーワードや注文商品、特定のページの閲覧状況から原因がわかる場合もありますが、もし原因がまったくわからなかった場合、注文いただいたお客様にご連絡をして「どこでこの商品(うちのネットショップ)を知りましたか?」と素直に聞いてしまうのも手です。

 そしてこのような外的要因のケースを活用してルーチン業務をつくることが大切です。外的要因は自分たちでコントロールすることはできないですが、外的要因が起こった後に対処・対応をすることができます。そしてその対処・対応が外的要因が起こった直後にできるか、数日後になってしまうか、起こったことさえも知らずに時間が過ぎてしまうか、そのスピードで成果がまったく異なります。一度でも起こった外的要因については「将来どこかで再度起こる可能性があり得る」と考え、対処と対策をまとめておくと良いでしょう。どのような対処・対策をするかをルール化しておくことによって、次の外的要因を探す視点や変化の対応へのスピード感のレベルが一段二段と上がっていきます。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。