ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。22【no.1910】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1909)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「集客ノウハウを身につける」についてご紹介しました。今回は「検索対策について考える」についてお話します。

 前回のコラムでEコマースの集客は「3+1」であること、「インターネット広告」「検索対策」「メディア」と「顧客リスト(=リアル)」であることを紹介しました。インターネット広告は費用がかかる手段であり初期段階のEコマースには向かないこと、メディアは無料で対策ができるものの他力本願な側面があること、顧客リストはすでにリアルでの認知やブランドがある事業者のみ活用があること、などを合わせてお話しました。Eコマースの集客においてまずノウハウを身につけるべきなのは検索対策です。

 検索対策というといわゆる「SEO対策」を思い浮かべる方が多いと思います。SEO対策のSEOとは「Search Engine Optimization」の略で日本語にすると「検索エンジン最適化」となります。つまり、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに対応する(好まれる)WEBサイトをつくること、という意味合いが含まれています。ここでお話したい検索対策とはSEO対策とは少し異なります。インターネットを活用してお客様が商品やサービスを探す「ニーズ」を言語化したものに対応することを検索対策だと考えてください。SEO対策という言葉の向きが検索エンジンであるのに対して、検索対策という言葉の向きは「お客様のニーズ」にあると考えてください。

 そう考えると我々Eコマース事業を成長させるために日々運用をおこなっていく中で、「自社の商品やサービスを利用するお客様は、自身のニーズをどのような言語で表現するか」を常に気にして、Eコマースサイトに施策をおこなうことになります。これこそが検索対策です。多くの中小Eコマース事業者は、自社の商品名やサービス名、さらにブランド名や会社名をお客様がすでに知っているということはなく、「自社の商品やサービス、ブランド、会社のことは知らないけれど、自社の商品やサービス、ブランド、会社が解決できる課題をもったお客様」に日々アプローチをおこなっていかなければいけません。

 検索対策には大まかにふたつの方法があります。ひとつはすでにお客様向けに発信しているページ、ネットショップでいえば「商品ページ」をより強いニーズをもっているお客様に自社を知ってもらうための対策。もうひとつはお客様に発信するページ、こちらもネットショップでいえば「商品ページ」の数をそもそも増やすことによってお客様に自社を知ってもらうための対策。このふたつです。前者は網の目を細かくする対策、後者は網自体を大きくする対策だと考えるとわかりやすいかもしれません。

 まず前者ですが、ポイントはお客様のニーズに対して「どこに寄せるか」にあります。Eコマースのシステムではより強い検索対象になるキーワード入力部分が限られているため、その中で検索対策のやり繰りをしなくてはいけません。より広い層を取りに行く検索対策をおこなうよりも、よりコンバージョンを重視した検索対策をおこなう方が賢い選択です。より絞ったお客様のニーズを考えてみてください。

 後者は、ネットショップの場合は商品ページとお伝えしましたが、いわゆるコンテンツマーケティングとして商品ページではなく情報コンテンツを増やして網を広げる方法があります。これは特にEコマースで取り扱う商品数が限られている場合に有効です。自社のEコマースのスタイルによって、商品ページを増やしていくのか、それとも情報コンテンツを増やしていくのかを考えていってください。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。