ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。24【no.1912】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1911)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「Eコマース事業を成長させるためには3つを増やす」についてご紹介しました。今回は「業務、運営効率を上げる」についてお話します。

 ご存じのとおりEコマースの仕事は多岐にわたります。売上をつくるフロントヤードの仕事として「商品企画/商材開拓」「WEB制作」「集客」「運営」、注文を管理する仕事として「システム/データベース管理」「物流」「カスタマーサポート」、売上規模が小さいフェイズでは数名でこれらの業務に取り組んでいくことになります。いかに業務効率、運営効率を上げていくかがEコマース事業の成長のポイントです。

 業務効率、運営効率を上げるために最初に見直したいのが仕事をおこなうパソコンについてです。これはパソコン自体とパソコンの使い方のふたつに分けられます。Eコマース運営をおこなう場合、ほとんどのケースでパソコンを使って仕事をしていると思いますが、パソコンの性能が低すぎたりスペックが古かったりすると当然ながら業務効率が下がります。我々ECMJも顧問先メンバーのパソコンを実際にみせてもらうと、パソコンの起動が異常に遅いケースがあったりもします。

 また場合によってはパソコンのモニターを2台使うデュアルモニターにすることによって運営効率が大幅にアップすることがあります。Eコマースの業務は液晶画面の小さいノートパソコンだけでは対応しづらい仕事がたくさんあります。WEB制作における画像加工やHTMLの修正、システム/データベース管理におけるデータ基盤の構築などはデュアルモニターによって効率が格段にアップしそうです。私がネットショップの運営業務をしていたときは、デュアルモニターではなく2台のパソコンを使いモニターを並べて仕事をしていました。片方のパソコンでシステムや更新を動かしつつ、もう片方で別の運営業務をおこなっていたのですが、非常に効率的でした。

 もうひとつがパソコンの使い方です。ネットショップのシステムの管理画面やよく閲覧する競合サイトなどをブックマーク(お気に入り)しているでしょうか。またパソコンのキーボードのショートカットキーはある程度使えるようになっているでしょうか。ファイルの共有はクラウド上でおこなっているでしょうか。細かい報告や共有をリアルタイムでおこなうためにビジネスチャットは導入しているでしょうか。このあたりを使えているか否かでも業務効率、運営効率は変わります。

 また業務効率、運営効率を上げるために、ルーチン業務の仕組み化、テンプレート化を随時進めていくことが大切です。こういったルーチン業務はタイミングがないと仕組み化、テンプレート化せずに毎度同じことをおこなってしまうものですから、仕組み化・テンプレート化をする「時間」を設定しておくと良いと思います。隔週1回、月1回、チームのルールとして設定しておき、業務効率・運営効率を上げるための改善をその時間にまとめておこなってしまうのです。サーバー、クラウド上のファイルの整備や、デスクトップの整理整頓、フォルダ構成の見直しなども含まれます。

 もちろんEコマース事業が拡大してくれば受注管理システムや顧客管理システム(CRM/SFA)、在庫管理システムの導入といった方向に話が向くのですが、ツールやシステムを導入する前にまず自分たちの仕事の仕方を見直していってみてください。パソコンの使い方や時間の使い方でカバーできる部分が必ずあるはずです。まずはチーム全員で知恵を絞って、業務効率・運営効率を上げていく「クセ(=習慣)」をつけていきましょう。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。