ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。28【no.1916】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1915)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「お客様に楽しんでもらう方法」についてご紹介しました。今回は「多店舗展開の考え方」についてお話します。

 Eコマース事業を拡大していく上で避けては通れないのが「多店舗展開」です。多店舗展開とは、同じ店舗ブランドを複数のショッピングモールや自社サイトで立ち上げることです。たとえば、仮に「ECMJショップ」という自社サイトの店舗ブランドがあったとして、その店舗ブランドを楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazon、Wowma、ポンパレモール・・というように複数のショッピングモールに展開していくイメージですね。Eコマースをやられている事業者さんなら、多店舗展開を検討されている方やすでに多店舗展開をしている事業者さんがいるかと思います。

 と、多店舗展開の考え方を書く前に、まず自社サイトとショッピングモール、いずれの出店からスタートするべきかについて再度説明していきます。過去のECMJコラムでは何度も書いていることではあるのですが、復習です。自社サイトを選択するか、ショッピングモールを選択するのかの一番のポイントは、リアルのビジネスにおいて店舗ブランド(もしくは商品ブランド)の認知があるか否かです。

 リアルのビジネスをやられていないインターネット専業の事業者さんについては、この時点でまずショッピングモールからの出店がおすすめ、ということになります。そしてリアルのビジネスをおこなっていたとしても、メーカーであったり問屋さんであったりOEM製造をおこなっていたり、「自社のブランド名が表に出ない」ビジネスをやっている事業者さんもショッピングモールからの出店スタートが向いています。そう考えると自社サイトスタートの事業者は限られるようにも見えます。

 ただ、インターネットとリアルからの集客導線のつくり方によってはリアルでのブランド認知が薄くても自社サイトでのスタートが向くこともあります。SNS(ソーシャルメディア)を軸にして集客や発信、提案をおこなえる場合です。このケースではEコマースサイトが「決済をするため」に注力して活用できるので、自社サイトとショッピングモールのいずれの選択も可能になります。こういったビジネスモデルの場合は基本的に「自社オリジナル商品(いわゆるD2Cビジネス)」でしょうから、より世界観が統一できる自社サイトが向いています。

 さて多店舗展開です。ネットショップが多店舗展開を検討しなければいけない理由、それは「お客様がもつ選択の広さ」にあります。お客様は我々Eコマース運営者が思っている以上にEコマースのことを知っています。いつどのショッピングモールで買えばポイントが多いか、自社サイトとショッピングモールでどのような特典の違いがあるかを常にチェックしています。Eコマース運営者である我々自身も、いち消費者側になれば、楽天市場で売っている商品がYahoo!ショッピングで売っていないか、どちらのショップの方が得をするのかを探しているのではないでしょうか。

 「ウチは楽天市場でしか販売しない!」も結構ですが、どのネットショップで買うか、どのショッピングモールで買うかの選択権はお客様がもっているわけですから、ある程度それに合わせてマーケティングを展開していかなければいけないわけです。多くのネットショップが「お客様に知られていない」わけですから、「まず知ってもらう」という第一歩を踏み出すためにも多店舗展開が必要になります。

 多店舗展開のポイントは「運用コスト」にあります。ここからは次回解説していきます。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 2.Eコマースを続ける, 3.Eコマースの収益アップ, 4.Eコマースの人財育成

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。