著者:石田 麻琴

時間をかけて商品を育てる。ブランドを積み重ねる【no.1934】

 先日、朝テレビをみていたら見たことのある商品のCMが。「タングルティーザー」という商品を知っていますかね。ブラッシングするだけで髪がサラサラになるイギリスのヘアケアブラシです。

 このタングルティーザーという商品、最近ではマツモトキヨシなどドラッグストアにも専用コーナーがつくられていまして、「おお!タングルティーザーこんなことにも置かれるようになったのか」と。というのも、タングルティーザーの日本総代理店をしている会社の社長さんと懇意にさせてもらっていた、んですね。

 私がタングルティーザーを知ったのがもう7年くらい前のことです。ECMJが以前、日比谷でセミナーをやっていたときに社長さんがきてくれたのがきっかけで、オフィスにお邪魔するようになりました。そのときに「このタングルティーザーって商品の日本総代理店をしているのですが、けっこう売れるんですよ」なんておっしゃっていて、そのときはAmazonで売っているような感じだったと思います。

 あれから7年ほどが経って、ドラックストアに置いてもらえるようになったり、朝の民放の番組の間にテレビCMを流すまでになったりしたわけなのですが、ここでのポイントは「7年」という時間だと思うんですね。

 タングルティーザーって、もともととても商品力がある商品だと思うのですが、それでもテレビCMを打つまでに7年という時間を要している。そこまでこの商品を時間をかけて育てた、というところにポイントがあるのではないかと思います。

 またもうひとつ言えば、私の中で7年前からタングルティーザーは「売れている商品」だったわけですが、世間一般としてはまだまだ知られていない商品だったということですね。マーケティングの会議などで「もう欲しい人にいきわたったのでは?」みたいな意見が出ることがありますが、全然そんなことはないってことですね。

 インターネット発の商品がリアルの実店舗のスペースを取っている例が少しずつ増えていますが、パッと思いつくのは「Anker」でしょうか。Ankerはご存じのとおりスマートフォンやタブレット関連商品の開発と販売をおこなっている会社。

 AnkerもAmazonでの販売をメインにしてきた会社で、Ankerがとくに有名になったのがモバイルバッテリーの開発と販売。iPhoneやiPadの普及の伸びと重なって、モバイルバッテリーといえばAnkerというまでブランドを確立しています。

 Amazonでは毎年のようにベストセラーを獲得していたのですが、最近はドン・キホーテなどでも専用のスペースを取ることができていて、インターネット発の商品のリアルへの浸食が確実に進んでいるのだなと。

 当然ユーザーとしては実際に商品を店舗でみてみたいという方も多いでしょうし、店舗に商品が並んでいることで新しく知るユーザーもいるわけで、またインターネットに流れてくることを考えればかなり効果が見込めます。まあ、実際の問題はドン・キホーテに販売スペースをとってもらうことがどれくらい大変か、ってとこなんでしょうけども。

 Ankerは元々アメリカの会社で日本法人ができたのは8年くらい前だったと思います。タングルティーザーと同じような時期だと思うのですが、そこから実店舗に置いてもらうまでにある程度の時間を要していることを考えれば、やはり商売は我慢して継続することが大事なのではないかと思いますよね。

 相当なラッキーが重なれば自社の商品がヒット商品に!ということもありえますが、目立つとすぐ類似商品がやってくるので、きちんとブランドを積み重ねることが大事です。そう考えれば、タングルティーザーとAnkerは非常に素晴らしい例なのではないかと思います。(って偉そうに)