ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

カスタマーサポートでにお客様の不安・不満やニーズの変化を探す【no.1958】

 ECには7つの業務があるとお話しています。ECMJコラムでも何度か取り上げているので、おぼえている方も多いと思います。また、EC事業をすでに展開している会社さんにとっては、周知の事実かもしれません。

カスタマーサポートは特定の仕事ではない

 7つの業務とは、「商品企画/商材開拓」「WEB制作」「集客」「運営」「受注処理/データベース管理」「物流」「カスタマーサポート」です。EC事業を運営する会社の仕事と幅が広がると「採用」や「決済(入金)確認」などなど他の業務も入ってきます。まずEC運用としてこの7つです。

 今回、テーマにしたいのが「カスタマーサポート」です。カスタマーサポートの仕事はご存じのとおり「購入前、購入後のお客様の不安を取り除き、より安心してショッピングを楽しんでもらうこと」です。しかし、返品交換の対応やクレーム処理など、どちらかというとネガティブな仕事のイメージもあります。カスタマーサポートを強化し、自社のブランド力につなげる方法を考えましょう。

 まず前提として認識しておきたいことがあります。お客様からの購入前・購入後の問い合わせ、質問・ご相談、購入後の返品や交換の対応。また場合によってはクレーム処理。カスタマーサポートの仕事は「ある特定のひとりの仕事」ではない、ということです。そして、カスタマーサポートを「ある特定のひとり」に押し付けるものでもありません。

会社全体の仕事としてカスタマーサポートを考える

 カスタマーサポートの仕事はEC事業に関わる全員の仕事です。ECを販売チャネルのひとつにし、既存のビジネス(リアル店舗やBtoBビジネス)を展開する会社さんには、EC事業ならず会社全体の仕事といってもいいかもしれません。日々の仕事の成果を受け取っているお客様からの連絡、となればなおさらです。

 やはり肝心なのは最初です。お客様からの電話は電話の近くにいる人間が最初に取ろうというルールを掲げましょう。上司や先輩自らが率先する会社はそういった社内文化がつくられます。逆に「担当でない人間は電話を取らなくて良い」という風潮ができると、その文化が受け継がれてしまいます。

 実際に「お昼休みに電話を他の方に任せると露骨に嫌な顔をされる。だからお弁当を自分のデスクで食べることにした」という事例がありました。このような状態だとカスタマーサポートの負担が特定の人間に偏ります。また、他のスタッフが「お客様からの意見」に興味を持たない原因になります。もし悪い習慣が社内にまん延しているならば、早急に手を打った方が良いでしょう。

カスタマーサポートは唯一お客様と直接接する場

 カスタマーサポートはお客様と直接コミュニケーションを取れる仕事です。インターネットのマーケティングというとデータ分析が主流になりつつあります。しかし、あくまでデータは数字の羅列です。その因果関係の「因」の部分はお客様が握っているのです。「因」はお客様に直接聞いてしまうのが一番効率的です。なぜなら、オンラインショップを選んだ理由も購入した動機もすべてお客様が知っているからです。

 ECMJが推奨している「数値管理表」の「理由/特筆事項」の欄には、カスタマーサポートでお客様から聞いた内容、問い合わせを受けた内容を記入していきましょう。そこにお客様の抱えている不安・不満やニーズの変化が潜んでいるはずです。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。