ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

BtoCもBtoBもメールマガジンを活用しよう!【no.2025】

 BtoC、BtoBに関わらず、顧客リストがあるなら定期的なメルマガを配信したいところです。目安としてBtoCならば300以上、BtoBならば50以上のリストがあれば価値があります。

*メルマガは「能動的」にお客様に情報を伝える手段

 メールマガジンはネットのマーケティングで唯一の「能動的」に情報を伝える手段です。

 インターネットのマーケティングは基本的に「待ち」です。検索対策は「検索したユーザーを効率よくキャッチする」受動的な施策です。そもそもユーザーが検索してくれなければ意味の無い対策になってしまいます。ネット広告も同様です。広告の画像や動画、テキストに工夫を凝らすことはできます。しかし、クリックするかはユーザー次第です。やはりクリック「待ち」ということになります。

 メルマガはネットのマーケティングにおいて自らお客様の懐の中に入る「能動的」な手段です。ネット外だとダイレクトメール(DM)がありますね。BtoCに限ればLINEも近しいところです。

*特にメルマガで商品やサービスを売ろうとしなくても良い

 BtoCのメルマガは商品、サービスの紹介がメインになります。メルマガ内で商品を紹介して直接的に売上になるのならば越したことはありません。しかし、BtoCでもBtoBでも大切なのは「お客様とのコミュニケーション」です。ですので、必ずしも商品やサービスを売ろうとしなくてかまいません。

 強いブランド力があり、熱狂的なお客様がいる商品やサービスもあります。しかし、大部分は「普段、お客様にそれほど気にされていない」ものです。ビジネスを運営している自分たちは常に自分の事業に触れているため「身近にあるもの」になっています。ところが、残念ながらお客様にとっては「身近なもの」でも何でもありません。頭の中の片隅にあるか、ないか。きっかけがないと思い出してももらえません。

 メルマガの価値は情報発信です。「いま自分たちはこういう動きをしています」ということを定期的に伝える。それによってお客様の頭の中の片隅に、タイミングが合えば「お客様の選択肢」のひとつになることができます。逆にいうと、お客様の手持ちのカードの1枚に「なれていない」ことも多いわけです。

*メルマガを定期的に流すことでリズムが生まれる

 メールマガジンを定期的に流すことでビジネスにリズムが生まれます。

 最初にメルマガを流す日にちを決めます。次にメルマガの内容を決めます。メルマガの件名にも使われるメインのテーマを決めなければいけません。そして、ひとつのテーマでメルマガを流すのか、複数のテーマで流すのかを決めます。テーマは新商品や新サービスの告知という場合もあります。キャンペーンやイベントなどの販促企画かもしれません。

 「メルマガを流す」ことを決める。それによって逆算で様々なスケジュールを決めることができます。「メルマガ配信日」という軸がビジネス全体の動き・リズムをつくるわけです。会社としての情報発信や新商品・新サービスのリリースを「ズルズル後回しにしてしまっている」会社さんはぜひメルマガに取り組まれることをおすすめします。

 メルマガの配信はそこまで難しいことではありません。最初は「書きやすい」「提案しやすい」レベルからスタートしてもらえれば結構です。運が良ければ流すだけで成果につながることもあります。

*ほとんどのメルマガは捨てられる

 しかし、メルマガを流すことは価値がある、メルマガをつくることリズムが生まれる、と言いつつも残念ながらほとんどのメルマガはメールボックスから廃棄されます。残念ながら読まれないという事実も頭に入れておかなければいけません。もちろん、それを加味した上でもメルマガを流す意味はあるわけです。

 Eコマース業界ではメルマガが戦略の軸になっていた時期がありました。2004年前後です。保有しているメールマガジン配信数がそのまま売上に比例した時代があったのです。それに気づいた企業がこぞってメールアドレスを集めたのは言うまでもありません。ただそれも先行者メリットがあった時代だけ。メールボックスがメルマガでいっぱいになる時代がすぐにやってきます。

 BtoCなら配信数の10%が開封されればいい方です。20%を超えるならば相当ファンが多い証拠です。BtoBメルマガの配信先はアポイントなどすでに接触のあるケースも多いですから、BtoCより開封率が上がる傾向にあります。

*大切なのは「違い」をつくることと、人の顔を見せること

 これだけ毎日たくさんのメルマガが配信される時代です。その他のビジネスと同じように「違い」をつくることが大切になります。やってはいけないのが「単に会社の情報を流す」とか「新商品だけの情報を流す」です。ブランドがある会社ならまだしもです。ブランドがない会社の情報や新商品はさほどユーザーの興味があるものではありません。

 大切なのはお客様がどんな情報が欲しいかを考え「課題解決型」のメールマガジンに振り切ることです。そしてできるならば、テーマはひとつ。とにかく「何かのカテゴリで一番」になることが大切です。

 また中小企業のメルマガは「人の顔」がみえる方が定着率が高くなる傾向にあります。メルマガを誰が書いているかがわかり、その人があたかも話しているように書かれている文章が理想です。堅苦しく書く必要はありません。あくまでメルマガは「コミュニケーション手段」です。話すように書けばいいのです。

*メルマガで人となりを理解してもらう

 BtoCではメルマガを読んでもらっていてもお客様にお会いする機会はほぼありません。しかし、実店舗を運営している会社さん、リアルでの商談・アポイントがある会社さんならばお客様と接触する機会もあるはずです。普段は商品やサービスのことばかりが中心になる関係でも、メルマガを読んでもらうことで人となりをもっと理解してもらえることでしょう。

 メルマガは個性全開でけっこうです。読み手に不快感を与えないのはもちろんですが、振り切っていきましょう。

【合わせて読みたい】
メルマガはPDCAサイクルを覚えるためのシンプルな練習になります【no.1193】
付加価値の高いメルマガを書くには?(メール商人さん)

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 2.Eコマースを続ける, 8.Eコマースの集客

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。