ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

SNS担当の仕事とははたして何なのか。1【no.2128】

 ECMJコラムを読んでくれている皆さんの中でもしっかりSNS対応に取り組まれている方、多いかと思います。SNSの重要性は理解しているけれど、上手く運用できていなくて、という方はぜひお読みください。また、自分たちはSNS運用をきちんとできている!という方も、ぜひ読んでみてください。というわけで、今日はSNS活用の話です。

SNSはバーチャルの交流の場

 昨今のマーケティングにおけるSNSの重要性。ここは改めて説明するところではないかと思います。

 スマートフォンの市場が拡大し、1人が1台スマホを持つ時代になった。SNSはいわばバーチャルの中での人と人との交流の場。学校で友達と会って話すような、道端で知人と井戸端会議をするような、公園でママ友と話すような、そして会社のタバコ部屋で上司から機密情報を耳にするような・・そんなリアルでおこなわれている情報交換がネット上でおこること、これこそSNSの存在意義です。

 そしてSNSの世界には商圏がありません。学校も道端も公園も会社も、ある一定の距離感の中でのコミュニティに終始しますが、SNSにはその「範囲」というもの自体がありません。関東の人が関西の人と交流することも可能ですし、海外の人と交流することも可能です。だから、空間が関係なく一瞬で海外の情報を取得することができますし、逆に自分の持っている情報を世界に向けて発信することもできるわけです。もちろん、マーケティングとしてSNSを活用する際は、この「範囲がない」というのが非常に魅力になりますよね。

既存の「一方通行」の発信手段ではない

 SNSを活用するとき、まず理解したいのがSNSは「一方通行ではない」ということです。マーケティングとしてSNSを活用する多くの会社(経営者)が、SNSを「一方通行のもの」と勘違いしています。もしくは、結果として「一方通行のもの」として使ってしまっています。これまでの認知拡大・集客手段というと、チラシやDM、看板広告・テレビCMなど。インターネットの世界でも、リスティング広告やアフィリエイト、メルマガが主流でした。これ、いずれも「発信者→受信者」への「一方通行」なんですよね。ここが勘違いが起きてしまう原因です。

 SNSはあくまで「双方向のもの」です。発信する情報を受信者(ユーザー・フォロワー)が受け取り、何かしらの反応をしてもらう。その反応に対し、発信者が反応を返す。受信者がまた反応をする。この双方向コミュニケーションにより、受信者との関係値が深まっていくものなのですね。ここでひとつのポイントがあります。それは、受信者に「何かしらの反応をしてもらう」というところです。

「反応を促す」発信を考える

 いわゆる「一方通行」の情報発信では、「来店や購入」以外の受信者の反応を必要としません。しかし、SNS活用においてはまず受信者(将来の顧客)との関係値をつくることが大切なわけですから、「来店や購入」以外の反応もしてもらいたいわけです。反応がなければコミュニケーションが取れません。情報発信をする際、「受信者に何かしらの反応を促す」ような内容を心得ることがポイントです。これがいわゆる「接触機会」「接触頻度」です。受信者との接触が多いほど、ブランドを理解してもらえる可能性が高まります。

 まずは受信者が反応をしたくなる発信をすること。そして、その反応に対しコミュニケーションを取り、双方向のやり取りを発生させることです。そのために大切なのは「個別対応」「即対応」ということになります。ここが、冒頭で書いた「自分たちはSNS運用をきちんとできている!」という皆さんにも読んでもらいたい理由です。もし、友人とLINEで連絡を取るとき、意識なく「個別対応」「即対応」をしているはずです。次回のECMJコラムではコミュニケーションを高めることと、その狙いについて書いていきます。

(つづく)

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。