ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

とある会計事務所がメルマガをはじめた。【no.2134】

 1ヵ月ほど前だろうか。とある会計事務所からメルマガが届いた。「ん?」とちょっとした違和感をもつ瞬間である。なぜなら、それまでメルマガが送られてきたことは一度もなかったわけだから。

メルマガ配信がうれしかった

 こういったとき、私のような人間だと「マーケティング系のコンサルを入れたのかな?」と思ってしまうのだが、そんな詮索は抜きにしても、メルマガの配信は私にとってうれしいことだった。

 メルマガが配信されるということは、メールアドレスが登録されているということだ。つまり、この会計事務所の方とどこかで名刺交換をしたわけなのだが、おそらく代表の方の講演会でご挨拶をしたのだと思う。

 こちらの会計事務所に依頼をしている知人も多く、また代表の方のお話も面白く、有意義な時間をすごせたのだった。ECMJはコンサル会社のため、こちらの会計事務所の力を借りることはないと思うのだが、会計の考え方やエッセンスは取り入れたいと思っていたのだ。そういう点でもメルマガ配信がうれしかったわけだ。

顧客リストを整理と精査

 会計事務所のようなBtoBの会社に間違いなくおすすめするのが、メルマガである。ECMJでもBtoBの会社のマーケティングコンサルを開始する際、まずは顧客リストの整理・精査と情報発信をおこなうことになる。定期的に、徹底的に情報発信をおこなうわけだ。

 多くの会社において、顧客リストの整備は不十分な状態にある。なにかしらの契約が発生し、請求支払いのやり取りをする顧客についてはリスト化されているが、それ以外の顧客(つまり見込顧客・一時的な顧客)についてはリスト化があいまいな状態になっている。

 BtoBの場合には、名刺交換やメアド交換、SNSでのやり取りも含め、すべて顧客リストとして一元管理をしたい。網羅的な顧客リストを作成する過程で、自社の情報管理のフローや顧客データの在りかを整理することにもつながるわけだ。

メルマガ活用を薦める理由

 そしてメルマガを使った情報発信である。BtoBの会社には特定の大企業から定期的に仕事を依頼されているいわゆる「下請け」的な会社も多く、情報発信の必要性に迫られないケースもありえる。ただ、「下請け」的な依頼もどうなるかわからない時代である。自社として、「既存顧客のロイヤリティを上げる」「見込顧客にブランドを伝える」情報発信をしておいた方がよい。

 もちろん、情報発信の方法はメルマガではなくSNSでもよいのだが、能動的にお客様に届けられる、その後の成果のデータを追うことが可能、という点でもまずはメルマガからのアプローチが無難だろう。BtoBならばメルマガでの情報発信を起点として、SNSにも展開していくのがよい。

接触がなければ記憶からは消える

 メルマガでの情報発信をおこなうに際して、必ず出てくる意見が「メルマガなんか誰も読まない」であるが、そんなことはない。現に、私はこの会計事務所のメルマガを読んでいる。自分の胸に手をあててみれば、少ないながらも「目を通している」メルマガはいくつかあるハズである。

 このあたりはメルマガの内容もさることながら、「自分と会社との関係性」が重要であり、私が会計事務所のメルマガを読んでいるのも「代表の講演会を聞いた」ことが大きい。そう考えれば、接触の強さがメルマガの確認にもつながるわけで、このあたりは「メルマガを見てもらう」ことに対する糸口になりはしないだろうか。

 それよりも、もしこの会計事務所からのメルマガがなかったとしたら、私の中でこの会計事務所の記憶は薄れていくだけである。特に緊急の出来事がなければ、いずれ記憶から消えていくだけだ。しかし、メルマガが届くたびに記憶の底から頭の片隅にもう一度戻ってくる。

 メルマガを送ることで嫌われる可能性もあるかもしれない。迷惑メール扱いされることもありえる。ただ、情報発信をおこなわなければ、いつか記憶から消えていくだけなのだ。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。