ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ECの商品づくりのポイントを徒然に【no.2142】

 売れる商品をつくることができるか。

 結局、ECは「商品」です。ECMJのコンサルティングにおいても、EC専用の商品企画からビジネスに携わらせていただいています。クライアント様のリソースとアセットを活かして、どのような新しい商品をお客様に提供できるか。そして、その成果をデータから読み取り、どう変えていけるのか。ここがECのマーケティングのまさに「軸」です。

 ページの見せ方や集客・認知の拡大など、「1→10」にはある程度の「型」があります。しかし商品企画・サービス企画は「0→1」です。ここが難しさであり、面白さではあるのですが、「ECに向く商品」を考える際、どのような観点から考えていくのか。頭の中を整理していきます。ばらばらとしたまとまりのない文章になるかもしれません。

単品で松竹梅戦略を使えれば理想

 まず、ECに向くのは単品です。これはECに限らず、他のビジネスでもそうですが、1つの商品だけを売り続けるモデルができれば究極的です。たとえば10,000商品を販売するよりも在庫管理が楽になります。事業規模が大きくなれば原価をボリュームディスカウントすることができます。注文のデータ処理や物流の負担も究極的に少なくなります。商品数が少なければよりベターです。

 松竹梅の価格設定(商品戦略)をおこないたいところです。単品商品の販売だと、8個入り・16個入り・24個入りのような松竹梅を考えてしまうところです。ただ、これでは入り数が多い商品の方が「1個あたりの利益が薄くなる」可能性があります。理想的なのは、松竹梅の順番に利益率が高い商品です。松は価格が高く、なおかつ利益率がもっともよい。こういった松竹梅の商品戦略が理想です。

売価と利益率が高ければ最高

 売価ですが、高ければ高い方が良いです。世の中は商品によって相場が決まっています。単価2,000円の牛丼は相場から外れていますが、単価10,000円のネックレスは相場内におさまります。このケースであればネックレスの方がECには向いています。なぜならば、単価2,000円の商品が単価10,000円の商品よりも5倍売れる(コンバージョン率が高い)ということはないからです。

 利益率が高い商品の方がよいです。もちろんこれは世の中の常識なのですが、ECならではの理由があります。ECではブランド・商品の認知拡大のために広告を使わざるをえません。検索対策やSNS・PRなど、集客手法はあるものの、再現性が高い方法は広告なのです。ですから、広告費を内包した売価を設定する必要があります。リアルと同じ売価設定では利益が出ないのです。「付加価値」を考えなければいけない、ということでもあります。

すでに売れている商品をいじる

 ECではすでに売れている商品を売るのがベターです。相当に自分が業界にのめり込み、その課題解決に精通していないかぎり、いきなり新商品から着手するのは危険です。モールのランキングや検索順位、NINTなどのツールを使えばすでに売れている商品がわかるはずです。すでに売れている商品に「デザイン性・機能性・ブランド性・専門性」の付加ができるかを考えます。

 売れている商品を売るとき、もうひとつのポイントは「同じ価格」で売れるか、です。すでに売れている商品にデザイン性を加え同じ価格で売れば、需要を引っ張れることは容易に想像できます。ただ、「価格が上がる」となると、この理屈が崩れてしまいます。価格が上がると、お客様のニーズが変わる可能性があるのです。「同じ価格」で「デザイン性・機能性・ブランド性・専門性」の付加ができるかを考えます。

市場に乗っかる付随商品

 今後市場が伸びると思われるものの付随商品を考えるのも手です。近年だと、スマートフォンやニンテンドースイッチが新しい市場をつくってきました。スマホ用の保護ガラスや充電器、スイッチ用のSDカードやケースは付随商品の代表格です。売れている商品の付随商品をつくることで、市場に乗っかるという方法があります。

 以上、ECに向く商品についてばらばらと綴りました。「0→1」で難しいところですが、また機会があれば書いていきます。

カテゴリー: 2.Eコマースを続ける, 7.Eコマースのひと工夫

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。