ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

情報発信は同じことを発信「しなければいけない」【no.2153】 

 情報発信を継続するためのコツは、「同じことを何度も書く」ことである。今回のコラムは情報発信を継続するコツについて。

 まずは、そもそも情報発信とは何を指すのか。マーケティングにおいて継続的な情報発信が必要になる理由は何か。そこから書いていきたい。

*「社会に価値をアピール」する手段

 まず昨今のマーケティングにおいて情報発信とは何を指すのか。情報発信とは潜在顧客や見込顧客、既存顧客に対して、自社の商品・サービスはもちろんブランドを伝達するための手段になる。こう書くと商売的なイメージが強くなるが、「社会に価値をアピール」したいならば情報発信は欠かすことができない手段になった。

 特に、お客様の認知の導線としてインターネットが欠かせなくなった現代、情報発信を継続して自社の価値を伝えることが必要になる。手法としては、SNSやメルマガ、ブログ(コラム)などが代表的なもので、いま読んでいただいているECMJコラムも正に情報発信の一環になる。ちなみにネット広告については情報発信の類には含まないのが通常だ。(情報発信に広告を活用してより拡散させるという手法もあることはある)

*「継続」こそ「信用」に値する

 では、なぜマーケティングにおいて継続的な情報発信が必要になるのか。ひとつは、情報量そのものが検索エンジンの検索対策やSNSのアルゴリズムに関連する部分がある。コンテンツマーケティングという戦略はすでに一般的になったが、潜在的な顧客に認知をしてもらうためには顧客の目的や課題にヒットする情報を発信しなければいけない。ただ、これはあくまでインターネットの「仕組み」的な対策である。本質はそこではない。

 継続的な情報発信が必要になるのは「信用」だ。インターネットの世界は有象無象の世界である。10年前から全く動いていないWEBサイトもネット上に存在し続ける、美辞麗句を並べたホームページも存在し続ける。ネットは参入コストが低いため、どうしても石が多めの玉石混交になるのだ。ある意味ネットは「信用」のない世界。その世界で、自社の価値を伝えるためには情報発信を継続するしかない。ポイントは「継続」であり、一過性のものではない「継続」こそ「信用」に値するわけなのだ。

*少し異なる角度で「書く」

 ここで最初の回答に戻る。情報発信を継続するためのコツは、「同じことを何度も書く」ことである。情報発信の重要性はわかる、ただ発信をする内容に困っている、そんな人にはぜひこれを伝えたい。

 「同じことを何度も書く」。これは同じ文章をコピペして何度も発信しましょう、と言っているのではない。本質的には同じ内容なのだけども、トレンドや事例をスパイスとして加え、少し異なる角度で「同じことを何度も書く」のだ。実は、この「情報発信のコツは同じことを何度も書く」というコラムは、ECMJコラムで3回目くらいになる。ただ、最初に書いたときには情報発信はメルマガかブログであり、SNSの重要性は低かった。そして、情報発信はネット専業に限られたマーケティング手法で、実店舗などリアルやBtoBビジネスのマーケティング手法としては注目されていなかった。本質は一緒でも、時代性によって状況が変わるのは当然なのだ。

*むしろ「しなければいけない」

 そして、読み手は情報発信にすべて目を通しているわけではない。じっくり読んでいるわけでもない。基本的にはたまたま見た発信を、他の発信と同じように流し見しているだけなのだ。「これはこの前書いたしなぁ・・」と思っているのは、情報発信をしている発信側の理屈である。情報を受信する側は広大な情報の海を常にさまよっている。「私は発信した、顧客は見てくれている」と思うのは傲慢極まりないわけで、顧客は発信側が思っている10分の1も読んでいないし、伝えたいことを理解もしていない。だからむしろ、「同じことを何度も書く」必要があるわけだ。同じことを発信「しなければいけない」くらいなのである。

 もしかしたら「それ、前にも似たようなこと情報発信していましたよね?」とツッコまれることが将来的にあるかもしれない。でも、大丈夫。心配はいらない。そのツッコミをしてくる時点で、その人はあなたの情報発信を読み込んでいる。十二分に商品もサービスもブランドも、理解してくれているはずだ。むしろ、喜ぶべきツッコミなのである。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから