ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

お弁当屋さんのネット注文マーケティング【no.2156】

 世の中には「受注生産」と「組み合わせ」で商品をつくることができる商売があります。たとえば、「お弁当屋さん」。たとえば、「花屋さん」。他にもあるかもしれません。この「受注生産」と「組み合わせ」で商品をつくることができる商売は、ECでめちゃくちゃ有利なんですよね。今回のECMJコラムはそんな話。

*ネット注文のお弁当は「受注生産」

 たとえば、「お弁当屋さん」を例にとります。

 インターネットでお弁当屋を売りたい会社さんがあるとします。ネットでお弁当を売りたい会社さんのアドバンテージは、「出来合いのお弁当」を用意しなくていいことです。たとえばコンビニであれば「出来合いのお弁当」を用意しておかなければいけません。しかし、ネットでお弁当を売る場合、「出来合いのお弁当」を用意しなくていい。

 出前館やUberでお弁当を注文した場合を思い浮かべてください。お弁当屋さんはお客様の注文を受けてから、お弁当をつくりはじめます。つまり、非常に期間の短い「受注生産」なんですね。もし仮に、サイト上に100種類のお弁当を掲載していたとしても、100種類の在庫を「用意しておかなくてよい」わけです。

*実は「組み合わせ」で無限に種類を増やせる

 しかも、お弁当は実は「組み合わせ」で種類を増やすことができます。食材のアレンジも無限ですし、「唐揚げ弁当」と「餃子弁当」を合わせて「唐揚げ餃子弁当」にしてもいい。「唐揚げ餃子弁当」のお米を白米と玄米と五穀米から選べるようにしてもいい。ある意味、無限にお弁当の種類を増やすことができるわけです。

 前述した、「受注生産」である事実と組み合わせれば、ネットでお弁当を売る場合「架空のお弁当」をいくらでも選択肢として用意することができるわけです。

 実店舗やリアルからスタートしているお弁当屋さんだと、「幕の内弁当は幕の内弁当だろ」とか「焼肉弁当は1種類だろ」となってしまうのですが、和風と洋風の幕の内弁当があってもいいですし、牛肉だけではなく豚肉や鶏肉中心の焼肉弁当があってもいいわけです。

*デジタルのマーケティングの神髄

 というか、ネットでお弁当を販売するとしたら、できるだけたくさんのお弁当を企画して、お客様に提示してみるのがよい、です。自社のこだわりや先入観を一旦捨てて。

 そして、企画したお弁当の中から「どのお弁当のページが閲覧されているか」「どのお弁当が注文されているか」のデータを分析して、「売れるお弁当か否か」を判断していくのです。

 おすすめの具体的な方法は、まず30種類のお弁当を企画する。一定期間販売して、データを取る。30種類のお弁当の上位15種類を残して、下位15種類の販売をやめる。下位15種類の替わりに、新しいお弁当を15種類企画する。合計30種類で一定期間販売し、データを取る。上位15種類を残して、下位15種類の販売をやめる。また新しい15種類のお弁当を企画する。この繰り返しをおこなうのです。

 そうなるとどうなるか? お客様の反応がよい厳選された30種類のお弁当だけが残るのです。

*必ず厳選の30種類を保つ理由

 これは「受注生産」「組み合わせ」での販売ができるお弁当だからできるマーケティングです。多くのECは在庫を用意しておかなければいけませんから、「下位15種類を切る」ことができません。なぜなら「死に在庫(デッドストック)」が生まれてしまうからなんですね。

 そして、最初の30種類から15種類を増やすのではなく、「下位15種類を切ってから」15種類を増やす・・つまり、常に取り扱い種類数を増やすのではなく、30種類を保ち続けるのには実は理由があります。種類数が増えてしまうと、「お客様が選べなくなってしまう」さらに「売れ筋の商品が売れない商品に埋もれてしまう」からなのです。

 ネットの「お弁当屋さん」がマーケティング上、有利な理由がお伝えできたかと思います。自社の商材でこのマーケティングが何かの形で適用できないか、ぜひ考えられてみてください。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから