ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

自分を「俯瞰する」という習慣をつくる【no.2215】 

 1月に帯状疱疹になってから、特に心がけるようになったことがあります。それは「自分を俯瞰して考える」ということ。これを習慣として意識するようになってから、仕事に対するメンタルがとても安定したように感じています。今回のECMJは「俯瞰する」ことについて。

*これは中長期的な成果に影響するのか?

 仕事をしていると、思うようにいかないことや、予想外のトラブルが起きることが少なくありません。そういったとき、感情が大きく揺れ動きます。しかも多くの場合、ポジティブではなくネガティブに振れることが多いと思います。この感情のブレが、自分自身にとっての大きなストレス要因になりますよね。

 私自身も例に漏れず、もともと「気にしやすい性格」です。自分のコントロールが及ばないことに対して不安を感じたり、「うまくいかないな」と思ったとき表情や言動に出やすい性格でした。また、無意識のうちに自分にプレッシャーを感じすぎてしまったり、余計なストレスを背負ってしまったりすることが多々ありました。

 しかし、少し引いて物事を見られるようになると、短期的にみればトラブルやアクシデントは確かにストレスではあるのですが、中長期的に「重大な影響を与えるほどでもない」ことに気づけるようになります。大切なのは、そういった短期的な出来事に一喜一憂せず、感情に流された短絡的な判断をしないこと。冷静に、「これは中長期的な成果に影響するのか?」と問い直す。そうすると、自然と心が落ち着くのです。

*旅行から帰ると見知らぬ車が・・

 最近、仕事とは関係ない場面ですが、こんなことがありました。

 連休に家族と旅行に出かけて帰ってくると、私の借りているマンションの駐車場に見知らぬ車が停まっていました。旅行先から3時間ほど運転をしてきて私自身も疲れていたタイミングだったので、「誰だ!こんなことをするのは!」と感情が高ぶりました。

 一旦家に戻り、紙に「ここは私の駐車場です。勝手に停めないでください。謝罪の連絡をください」というようなメッセージを書いて、車に貼ろうと考えました。しかしそのとき、自分を俯瞰して考えてみたんですね。「これは所詮一時的なトラブルで、感情的に対応して得られるものはあるのか?」と。そこで、まずは冷静になって、マンションの管理センターに相談しました。

 結果、その車は私の隣の駐車スペースを借りている方のものであり、単純に私の場所と間違って停めていただけ、ということが判明しました。実は、私自身も以前、同じ間違いをしてしまったことがあります。そのことを思い出して、「これは誰にでも起こり得ることだな」と納得することができました。

*冷静に対応できる自分を作る

 しかし、もし私が最初の感情に任せて怒鳴ったり、乱暴なメッセージを貼っていたら、どうなったでしょうか。相手に嫌な思いをさせていたかもしれませんし、自分自身も後味の悪い気持ちになっていたかもしれません。そして、さらなる新しいトラブルを生んでいたのかもしれません。自分を俯瞰して冷静に対応したことで、余計なストレスを生まずに済んだわけです。

 私は今44歳、もうすぐ45歳になります。こうした気持ちを持てるようになるまで、44年もかかってしまったのかと、少し恥ずかしさを感じる部分もあります。しかし、ようやくここにたどり着けたことがうれしくもあります。短期的なストレスには長年散々困らされ続けてきましたから(笑)

 社会で生きていくうえで、「自分を俯瞰して見る」という視点はとても大切です。これを自然に実践できている人も多いとは思いますが、もし今少し感情に流されやすいなと感じている方がいれば、ぜひ一度「この出来事は、自分の中長期的な人生にどれほど影響するのか?」「そこまで感情的になるものなのか?」と自分に問いかけてみてください。

 短期的な感情に振り回されず、冷静に穏やかに対応できる自分を作っていく。そんな積み重ねが、きっと大きな安定につながっていくのだと思います。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから