ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「誰かがやらなければいけない仕事」に、気づけるか【no.2259】 

 先日、とある会社さんへの取材の仕事がありました。日本一といってもいい都内の大きな繁華街で、70年以上飲食店を経営されている方のお話を伺ったのです。その取材の中で、強く印象に残った言葉がありました。

 「影で支えてくれている人を、常に感じて感謝することを忘れない」という言葉です。

 飲食店というと、どうしても店長や接客をするスタッフ、あるいは経営者自身にスポットライトが当たりがちです。しかし実際には、仕込みをしてくれる人、食材を運んでくれる人、仕入れ先さん、ドライバーさん、生産者さんなど、多くの「見えない仕事」があって、はじめて店は成り立っています。今回の「取材」という行為自体も同様で、インタビューをされる経営者に注目が集まりがちですが、その裏側には多くの支えがある。そのことを常に忘れてはいけない、という話でした。

*急遽依頼された「案内係」の仕事

 その言葉が、翌日思いがけない形で自分自身に返ってきたのです。

 取材の翌日は、弊社ECMJが所属する団体の大規模なシンポジウムの日でした。私は運営スタッフとして朝8時から準備に参加していました。私の役目は「セミナー間の会場のレイアウト変更係」だったのですが、セミナー開始1時間前、「会場案内係」が足りないということで、急遽、地下1階でシンポジウムのパンフレットを持ち、来場者を誘導する役目を任されました。

 正直、「裏方中の裏方」のような仕事です。寒い地下1階に一人立ち、通り過ぎる人のほとんどは一瞥するだけです。それでも50分ほど、その場に立ち続けました。

 しかしそんな中で、何人かの方が「ご苦労さまです」「ありがとうございます」と声をかけてくれるのです。中には立ち止まって、「何時から準備されているんですか?大変ですね」と会話をして、ねぎらってくれる方もいました。

*案内係をしていて気づいたこと

 今回、案内係を「やる側」に立って気づいたことがあります。こうした声をかけてくれた人のことを、「はっきり覚えている」ということです。

 おそらくこれは通り過ぎる側では決してわからないことであり、やってみた人間にしかわからない感覚です。そして人間である以上、「気づいてくれる」人に対して、こちらも自然と「気づき」返したくなります。より良い関係を築きたいと思います。それはごく自然な感情です。

 仕事の多くは、華やかではありません。むしろ、ほとんどが「仕込み」であり、「誰かがやらなければならない地味な仕事」ばかりです。そしてその積み重ねがなければ、スポットライトが当たる瞬間は存在しません。

 振り返ると、私自身も、これまで表に出る人に目が向きがちだった場面があったように思います。たとえば、セミナー後の懇親会でも、登壇者に先に声をかけてしまい、裏方の方々へのねぎらいが後回しになっていたかもしれません。

*「気づく」人間への意識と習慣

 今回の取材と、翌日の案内係という体験を通して強く感じたのは、「気づく人間であるかどうか」は、意識と習慣の問題だということです。今この場が成り立っているのは誰のおかげなのか。どんな人の支えがあって成立しているのか。そして、それを考える習慣を持てるかどうかが大切です。

 マーケティングも、経営も、組織づくりも、実は同じ構造の上にあります。見える成果の裏には、必ず「見えない支え」があります。その存在に「気づける人」でありたい。今回の体験は、そんな当たり前だけれど忘れがちなことを、改めて自分に問い直すきっかけになりました。

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    ishida

    石田 麻琴 / コンサルタント

    株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから