マーケティング全体図の作成は「手を広げるため」ではなく「掘り下げるため」にある【no.2261】
今回のECMJコラムのテーマは「マーケティング全体図の作成」についてです。これはECMJが、企業のマーケティング内製化を支援する際に、最初に取り組むアプローチのひとつでもあります。
マーケティング全体図とは、自社の商品やサービスが、どこからお客様に認知され、どのような経路で購入や問い合わせに至り、その後の顧客データがどのように活用されていくのか、その一連の流れを可視化した図のことです。このマーケティング全体図を可視化することによって、チームの認識統一や強化ポイントの設定、マーケティング戦略策定を進めることができます。
*マーケティング全体図作成の手順
まず最初に考えるのは「受け皿」です。ECビジネスであればネットショップ、BtoBのマーケティングであれば問い合わせを受けるWEBサイト、インターネット上がコンバージョンポイントではない場合は実店舗やイベントなど、ビジネスの着地点となる場所がまず、マーケティング全体図の中心にきます。マーケティング全体図は、中心を設定し、そこを起点として描き始めます。
次に、その受け皿に至るまでの「導線」です。インターネット広告、ネット検索、SNS、コンテンツマーケティング(オウンドメディア)、リアルイベントなど、お客様がどこから受け皿にやってくるのかを受け皿の左側に書き出していきます。そしてお客様の購入後や問い合わせ後、顧客情報がどこに蓄積され、次の施策にどう活用されるのか。これを右側に描いていきます。そして、各々を矢印で結んでいけば、お客様が「導線」に乗ってからのマーケティングの流れを可視化することができます。
*未来を考えるとき、陥りやすいこと
ここまでが、現状取り組んでいるマーケティング、いわゆる「AS-IS」の全体図を可視化するフェーズです。この「AS-IS」をチームメンバー全員で共有するだけでも、「自分たちは今、どんなマーケティングをしているのか」がより明確になります。
しかし、マーケティング全体図を活用する本当の価値はその先にあります。次にやるべきは、このマーケティング全体図をどう変えていくか、つまり「AS-IS」に対する「TO-BE」のマーケティング全体図を考えることです。
「TO-BE」のマーケティング全体図を設計するとき、多くの会社さんが陥りやすいのが、マーケティングの「手段を増やす」という発想です。特に、「導線を増やす」ことを検討する会社さんが多いように感じます。SNSアカウントを増やそう、インターネット広告を増やそう、サイト内のコンテンツを増やそう、リアルイベントにも取り組もうという感じです。しかし、「時間とお金」のリソースには限りがあります。また、施策を増やすほど、取り組む力が分散し、結果的に成果につながらなくなるケースは少なくありません。
*「数値」と「要因」を整理しポイントを見つける
重要なのは、新しいことを「足す」前に、現状を「掘り下げる」ことです。そのために必要なのが、「数値」と「要因」の整理ということになります。現状のマーケティング全体図に対して、どの施策が、どの数字に、どのような影響を与えているのか。成果が出ている部分には、必ず理由があります。その理由を特定し、言語化し、意図的に強化していく。この積み重ねこそが、大きな成果につながっていきます。
マーケティング全体図は、「あれもこれもやるための図」ではありません。「何をやらないか」「どこを深掘りするか」を判断するための重要な思考ツールなのです。まずは難しく考えず、チームメンバーでホワイトボードを囲み、自分たちのECサイトやサービスを中心に、お客様の流れを書き出してみてください。未来の姿についても議論することで、新しい視点や発想が自然と生まれてくるはずです。
そして、その後に数値と要因を丁寧に整理していくこと。それが、マーケティング全体図を「描いて終わり」にしないための最初の一歩になります。
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