マーケティングは「逆算」でおこなう【no.2269】
「マーケティングを内製化する」ということは、たとえばシステム開発やWEB制作の「業務」を内製化することではありません。マーケティングを展開していく、「判断」を内製化することです。これは過去のECMJコラムでもお伝えしてきたとおりです。デジタル時代における「マーケティングの内製化」とは、社内の組織、マーケティングチームメンバーの判断力を高めることにほかなりません。
日々のマーケティングの判断の精度を上げるためには、たとえばデータをどう見るかといったようなガイドやコンパスの活用が重要です。しかし、その前にチームメンバー個々人に身につけておいてもらいたいのが「逆算の思考」です。「逆算の思考」はノウハウでもテクニックでもありません。あくまで思考の型です。訓練し習慣づけるによって、誰でも身につけることができます。
*すでに起きている事実、を掘る
マーケティングを社内で展開していくとき、いきなり新しい施策や改善策から入っていかないことが得策です。まず考えるべきなのは、「なぜ自社はお客様に知られているのか」「なぜ自社はお客様に選ばれているのか」「なぜ自社はお客様に選ばれ続けているのか」という問いです。今、「すでに自社に起きている事実」を丁寧に掘り下げることが最初のステップになります。
「すでに自社に起きている事実」には、自社の差別性や強み、継続性、そしてこれまで実践してきた積み重ねが詰まっています。マーケティング施策を検討するとき、いま自社で結果が出ていることを強化し、活用する方が、はるかに効率的で既存のメンバー・組織にもフィットします。一方で、たとえば他社の成功事例をそのまま真似ようとすると、組織メンバーにひずみが生まれたり、自社にマーケティングに向かうための素材が足りなかったりします。
「すでに自社に起きている事実」には、単なる偶然ではありません。過去にチャレンジした何かしらの改善施策の結果です。市場環境が影響を及ぼしている可能性も含め、「すでに自社に起きている事実」には必ず要因があります。今の事実を「結果」として捉え、「何の要因の結果なのか」を考える。これが「逆算の思考」なのです。
*「逆算の思考」のプロセスを踏む価値
たとえば、継続率の低さが課題になっているオンラインショップがあったとします。マーケティング施策の議論を始めると、クーポンやポイントアップ、ノベルティなどのアイデアにすぐ飛びがちです。しかし、逆算の思考ではまず「なぜ今いるリピーターはなぜリピートしてくれているのか」を探索します。お客様へのヒアリングやアンケート、そして購買データ分析、レビュー分析などからヒントを探るのです。
まずは現在に至ったその要因を調査し、その上で改善施策に進むかどうか、どの改善施策を展開するかの判断をします。結果としてクーポン施策を選択したとしても、逆算のプロセスを踏んでいるかどうかで判断の精度は大きく変わります。そして何より、クーポン施策を選択したことの理由について、組織として納得感を持って進むことができる。ここが大切なところです。
まさに「なんでそうなったかがわかれば、どうすればそうなるかがわかる」ということです。「なぜ売上が上がったのか」がわかれば、「どうすれば売上が上げられるか」が見えてきます。「なぜセッション数が増えた」のかがわかれば、「セッション数を増やす方法」が見えてきます。「なぜお客様に選ばれているのか」がわかれば、「お客様により選ばれる方法」が見えてくるわけです。
マーケティングは逆算でおこなうものです。その思考を組織の習慣にすることが、判断の内製化につながります。最後に復習です。この「逆算の思考」はノウハウやテクニックではありません。特別な才能が必要なわけでもありません。誰でも身につけられる思考です。訓練し、習慣づけるしかありません。
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