ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの「制作」担当者における改善指標。【no.0318】

 「データをとって、毎日カイゼン」するための指標づくり。(前回はこちら

 前回は、「商品企画・商材開拓」の担当者が業務を進めていく上での指標・評価基準を考えてみました。今回は、「制作」の担当者における指標・評価基準を考えてみます。

 まず、「制作」担当者の仕事を簡単にまとめてみます。「商品企画・商材開拓」担当者から販売する商品を受け、それをWEBサイト上でお客様に提案するのが「制作」担当者の仕事です。詳細な業務内容です。商品をどのようにページ上で表現するかの企画、どんなコンテンツのどのような順で提案するかを決める構成、まずはこれらを企画書に落とします。次に、ページをつくるための素材の作成です。商品の写真の撮影。商品のモノだけを撮る物撮りもそうですし、モデルさんを使った写真撮影、もしくはディレクションも仕事になります。商品の紹介説明テキスト、キャッチコピーなども、「制作」担当者の仕事でしょう。そして、素材を全てまとめて、WEBページ上にコーディングするのも、「制作」担当者ということになります。結構、仕事多いんですよね。部分部分を外注しているネットショップもあると思いますが、仕事としてはこのような形です。

 では、指標・評価基準を考えてみます。

1.ページ(コンテンツ)の制作数
 制作の仕事は、どうしても労働集約型になります。集客の仕事のように、担当者によって成果が数万倍も違ってしまうことはありません。1つの制作物にかける時間が長いか、短いか、そのスピードが成果の指標になります。特に、販売商品数を多く出す戦略をとるネットショップの場合、「商品企画・商材開拓」担当者が用意している商品がたくさんあるにも関わらず、「制作」担当者のスピードが遅いと、商品の発売が滞ってしまうわけですから、やはり絶対数を制作することができるスピードは重要です。成果の指標として、最低限に制作したい数、販売スケジュールどおりにネットショップを回すために必要な数、それを超える多ければ多いほど良い数、という3段階に設定して、日々の業務を評価していくのが良いのではないでしょうか。

2.累計の販売実績
 とはいえ、スピードも重要ではあれど、売上も重要であるわけです。大量にネットショップに商品のページをアップしたとしても、巧遅拙速で、全くお客様からの共感が得られなければ仕方ないのです。「商品企画・商材開拓」担当者の指標として、「新作アイテムのヒット数、ヒット率」というものをあげました。商品の個別の売上は「商品力×制作力(提案力)」ですので、「制作」担当者の指標としても「新作アイテムのヒット数、ヒット率」は重要なのですが、ここでは「累計の販売実績」というように考えました。「商品力×制作力(提案力)=売上」という図式において、商品を変えることはできませんが、ページの見せ方を変えることで「提案」を変えることができます。例えば、酒の肴を販売しているネットショップだとすれば、夏はキンキンに冷えたビールに合う!と提案し、冬には焼酎のお湯割りでほっこり!と提案することができるわけです。アパレル商材が、季節によってモデルの写真撮りを変えるのも同じで、提案を変えることによって商品の販売実績を伸ばし続ける(業界用語っぽく言うと「引っ張る」)ことができるわけです。ですから、「累計の販売実績」は「制作」担当者の業務指標になるといえます。旧作商品を「引っ張り」、で売上のベースをつくる仕事などは、まさに「制作」担当者の力の見せどころです。

 ここも商材、ビジネスモデルにより指標は様々だと思いますが、「制作」の担当者について考えてみました。次回は集客の担当者について考えてみましょう。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。