著者:石田 麻琴

潜在顧客は「自分のケース」の解決策を探している。【no.0208】

 今後、インターネットビジネスを成長させていくにあたって、「潜在顧客」と「見込顧客」を理解するということが重要だと思います。

*供給過多により顧客の獲得コストが上がる

 CRM戦略についてのコラムでも書きましたが、これまでのインターネットビジネスでは潜在顧客と見込顧客を混同しても問題がない時代でした。PPC広告やバナー広告、メール広告などインターネット広告を活用し、改善と繰り返して最適化を施していけば、なんとか収益性が上がっていたわけです。

 しかし、すでにインターネット広告の最適化だけでは、収益化が難しい時代になってきています。一番の理由は、インターネットビジネスの参入障壁の低さ、ですね。インターネットの市場でも、すでに需要と供給の逆転が起こっています。需要はもう2倍3倍にはなりません。だた、サービスの供給側は際限なく増えていきます。供給過多で顧客の取り合いになれば、顧客の獲得コストが上がるのは当然なわけです。

 ということで、これまで潜在顧客・見込顧客関係なく、ウェブサイトのアクセス増の目的として、またひいては新規顧客獲得の目的として行われてきたインターネット広告という手段は、どうやっても利用するだけ赤字の状態に近づいてきているわけです。もちろん、すべてがその限りではありませんし、商材やサービスに特異性があれば、ビジネスモデルで勝利することが可能です。が、一部の事業を除いて、同じようなサービスが中から、なんとかして頭一つ出ることができないか、という考えているのが現状でしょう。

*潜在顧客をどうキャッチして見込顧客へと引き上げるか

 インターネット上、もしくはリアルの世界で、商品やサービスに認知があり、企業にブランドがあるならば、インターネット広告は見込顧客へのアプローチということになります。逆に、商品やサービスに認知がなく、企業にブランドがなければ、インターネット広告は潜在顧客へのアプローチということになります。そう、たとえば、弊社、ECマーケティング人財育成など、まだまだ認知がなく、企業としてのブランドもない会社です。こんな会社がサービスへの集客にインターネット広告をかけたとしても、当然、広告の費用対効果は大赤字になるわけです。では、潜在顧客をどうキャッチして見込顧客へと引き上げるかという話です。

 潜在顧客が持っているのは、課題です。悩みです。あなたの会社のことは知らないですが、あなたの会社が解決できる悩みを持っています。弊社の潜在顧客であれば、「社内にインターネット担当が欲しい」「インターネットに販路を拡大したいけど、どこから手を付ければいいかわからない」「インターネットを使って売上をあげたいが、誰に相談していいかわからない」とか、そういう悩みがあると思います。ここの解決を提案してあげなければいけません。自社媒体(オウンドメディア)の果たす役割はまさにここですよね。小さい企業ほど、インターネット広告ではなく、コンテンツマーケティングに力を入れる必要性があることが、よくわかると思います。

*潜在顧客が探しているのは「自分のケース」の解決策

 ここで、潜在顧客の課題や悩みを解決するコンテンツを用意する、という話をすると、「うちの会社は事例をたくさん載せているから大丈夫」という方がいます。事例は有効ですが、点数としてはまだ30点です。

 潜在顧客が探しているのは、あくまで「自分のケース」に当たる解決策です。「俺の場合はどうなんだ?」と考えながら、解決策を探しています。だから、事例を読んで、自社の課題と照らし合わせて、自分で解決策を導き出して、納得する、なんてことを潜在顧客がすることはありません。

 潜在顧客は「自分のケースに当たらない」と感じた時点で、Googleの検索画面に戻って、さらに検索キーワードを絞って次のページを探すだけです。つまり、潜在顧客を見込顧客にするためには、「お客様、それぞれのケース」を読んで、あらゆる課題に対してあらゆる角度から、解決策を提案していかなければいけません。つまり、コンテンツの数が勝負のカギ、ということになります。