ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

もしも明日、ネットショップの担当に任命されてしまったら。その五【no.0865】

 いきなりネットショップの担当をさせられてしまったら・・(前回はこちら

【あらすじ】
 ジュエリーブランドの実店舗で働いている女性が、突然ネットショップ担当に任命された。ネットは初めてで右も左もわからない。はたしてどうする?

 ここまでセオリーとしてのネットショップ運営について書いてきましたが、今回は最後なので元ジュエリーネットショップ(一応)の運営者としての私の意見です。

 まずインターネットを使った新しいお客様(新規顧客)へのリーチです。

 個人的にはインターネット広告は活用したくありません。ブログやSNSを軸にして、インバウンドもしくは情報の拡散から新規顧客への認知を広げていけると良いと思います。

 ブログはジュエリーブランドとしてのこだわりを。実店舗のスタッフの方もいると思うので、経営者含め会社全体で書くことをオススメします。会社力のアップにもなります。ルースの仕入れ担当の方、デザイナーの方、店舗担当の方、ネットショップ担当の方、各々の立場での個性的な発信があるはずです。

 ジュエリーは写真との相性が良いです。ですから、ネットショップのコンテンツとして最も強化した方がいいのは商品画像(装着画像)です。画像によって売れ方が全く異なります。ここはお金をかけても、写真を習いに行く価値があるところ。SNSだと、フェイスブックやインスタグラムはジュエリーとの相性が良さそうです。

 せっかく実店舗があり、お客様と直に触れ合える機会も多い会社ですから、定期的にネットショップと実店舗の連動企画として「お客様参加型のイベント」を開催すると良いと思います。ジュエリーの春夏、秋冬の新作発表会でもいいですし、ルースの展示会でもいいと思います。お客様がお客様を紹介してくれるような流れをつくれることが理想です。

 ジュエリーのネットショップで注意しなくてはいけないのが在庫です。保管スペースを取らない商材なので効率的なのですが、単価によっては在庫金額がかさみます。実店舗と必ず在庫を連動させて、最適な形で在庫を回していくようにしていきましょう。ネットショップ専業のジュエリーショップと比較すればずっと在庫リスクを少なくできます。

 そんな中でも、リング(指輪)の在庫には注意です。実店舗ではお客様が実際にリングを指につけて商品の購入を決定されるので問題になりづらいですが、ネットショップでは「試す」ことができません。リングの号数違いによる返品、交換が多くなる可能性があります。ここはネットショップのポリシーをしっかり決めておいた方がいいですね。20号のリングが返品になるとお手上げですので・・汗

 あとは毎日実行数値管理表をつけてネットショップの状況を把握し、異常値がないか、異常値の原因は何かを考え続けること。実店舗の営業ミーティングにも参加させてもらい、実店舗のデータとネットショップのデータがどのように絡んでいるのかを読んでいくのも良いと思います。成果に近づくための共通項が見つかると思います。1%1%、着実に成果への確率を上げていってください。

 スタートした当初はアクセスも少なく、売上もなく、お客様の姿をみることもできなく、「なんでこんなことやっているんだろう」と思うことがあるかもしれませんが、みんな同じです。継続していけば、少しずつ成果が出てくるようになります。そしてどこかで臨界点を超えます。いきなりドバ~っと売れるようになると、ネットショップはめちゃめちゃ面白いですよ。頑張って。

 おわり。

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 1.Eコマースを始める, 2.Eコマースを続ける, 6.Eコマースの悩み

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。