ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

キーワードをノートにメモするだけのセミナーにしないために【no.0495】

 先日、久しぶりにセミナーに参加してきました。

 なるべく同業系(主にEコマースの戦略コンサルティング系)のセミナーには参加をしないようにしています。業界的に皆さんフレンドリーなので、そんなことにはならないとわかっていますが、万が一「情報を取った、取られた」のようになると嫌ですし、なにより主催者の方・講師の方が同業系の人間が来ると気にされてしまうと思っているからです。

 なので、極力、足を運ばずに、「知りたいこと」は自力のツテを使って、「1対1」の一方的ではない平等な情報交換をすることにしています。しかし、「ぜひ来てくださいよ」と声をかけてもらえたり、友人が講師を務めたりする場合は例外です。先日のセミナーも、友人が講師を務めており、まだその方の話を聞いたことがなかったので、「ぜひ」と思い、参加をしてきました。

 45分程の短めのセミナーだったのですが、「これは、きちんと勉強をしている人でないとわからないな」と思いました。セミナーの最初の15分を聞いて、そう思ったのです。ちなみに、セミナーの内容を否定しているわけではありません。むしろ、講師側ではなく聴講側に対して、「このセミナーを聞く準備ができている人はどれくらいいるのかな?」と思ったわけです。

 セミナーの内容は、「大規模Eコマースのシステム」についてでした。中小規模のEコマースと大規模Eコマースの違い。大規模Eコマースのシステムにはどのようなものがあり、予算別にするとどのシステムが適当か、システムを導入するときに気をつけること、など充実した内容でした。あまりに内容が良かったがために、「このセミナーがどれくらい聴講側に伝わっているのだろう」と疑問に思ってしまったのです。

 基本的に、セミナーから「新しい情報を得よう」とか「勉強しよう」というのは、あまり意味をなしません。なにより、セミナーで講師が発言する内容には、講師の「主観」が入っています。素直に鵜呑みにするようなものではありません。「あー、この講師さんはこんな風に考えているんだなぁ」と、「知識」や「知恵」と「情報」「主観」を分けられる能力が必要です。

 「新しい情報を得よう」とか「勉強しよう」というつもりで参加すると、キーワードをノートにメモするだけでセミナーが終わります。「こんな言葉があるんだ」「こんなシステムがあるんだ」と知るのも重要ですが、キーワードを知っていることは前提条件です。本来は、キーワードはある程度抑えておき、そのキーワード同士が「どのように繋がっているのか」そして今後「何が起こり得るのか」、そこをセミナーから読み取りたいところです。

 そう考えると、セミナーをより有効に活用するためには、「事前の知識をどれくらい入れておくか」それが重要になります。これはWEBで広く情報を入れておくのも良し、本を読んでおくのも良し、知人と情報交換をしておくのも良し、セミナーに「参加するため」のセミナー(主にキーワードだけを説明してくれるもの)に参加するのも良しだと思います。

 講師から生の声と考え方を聞くことができる、折角の機会です。内容の意図がわからなければ、キーワードだけをメモするのも良いですが、できる限りセミナーの内容を自分に吸収できる準備をしてみてください。「でも石田さん、そもそもセミナーで講師が何を話すか、事前にわからないじゃないですか?」と言う方もいると思います。その通りです。その場合は、その講師が話すセミナーに2回参加してください。1度目は、キーワードをメモする回。2回目は内容を吸収する回です。セミナーの複数回の参加は非常に効果的ですよ。

 おわり。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。