ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップ規模別の課題。「売上10万のフェイズ」【no.0198】

(前回のブログを読まれていない方は、まずこちらをお読みください)

ネットショップの規模別課題「売上ゼロのフェイズ」として、イーコマース事業の専任の担当者をつけるのか他業務との兼任でスタートするのか、Web制作のスキルをどう補うか、外注と採用の手段をどう活用するのが良いか、そして、まずはネットショップを「続けること」が大切だという話をしました。今回はネットショップ規模別課題「売上10万のフェイズ」です。

「売上10万のフェイズ」とは、ネットショップを立ち上げて、毎日ネットショップを運用改善する習慣ができて、よくわからなけれどもネットショップへのアクセスがチョロチョロあって、たまーになぜか商品が売れて、月に1~10万円くらいの売上があるというフェイズ。このフェイズでの課題として、ECの理解、ネットショップのアクセス増、バックヤードの仕組み化、この3つが挙げられるかなと思います。

まず、1つ目は、ECの理解です。ネットショップのみならずインターネットビジネスをスタートした方、そして特に、これまで実店舗での商売をやってこられた方が陥りやすい勘違いがあります。最初にこの勘違いを修正することが大事だと思うんですが、ネットショップって「ネットショップ←お客様」ではないんですね。「お客様→ネットショップ」なんですよね。よーく見ると(よく見なくても)、お客様からネットショップに伸びている矢印の方向は同じで、右と左のお客様とネットショップの位置だけが逆になっています。ほとんどの人が、「ネットショップ←お客様」だと思ってビジネスをスタートしています。これが最初のつまづきです。

「ネットショップ←お客様」は、左側のネットショップが起点になり、そこにお客様がくるイメージです。しかし、インターネットビジネスは左側にサービスはありません。あくまで「お客様→ネットショップ」です。お客様が左側に起点としてあり、ネットショップが右側にあります。まずネットショップがあって、そこにお客様が行くのでなく、まずお客様がいて、そのお客様がネットショップに行くのです。ですので、お客様がいなければ、ネットショップは存在しないことになります。たとえ、Web制作会社に外注して、どんなに素敵なウェブサイトをつくったとしても、お客様がいなければ存在しないものと同じです。

実店舗の場合は、こんなことないですよね。お店がそこに存在すれば、少なからずの人どおりがある。駅やバスの停留場、学校や役所、コンビニやスーパーなど他の実店舗に行くまでの導線にあれば、お客様の目に留まり、なんとなくでもお店に寄ってもらえる可能性があります。だからこそ、お店の内装や外装にこだわったり、ポップづくりや、のぼりを立てたりしてアピールします。あくまで、「実店舗←お客様」というように、実店舗が起点にあり、そこにお客様がやってくるわけです。

インターネットビジネスをスタートさせたばかりだと、どうしても「お客様→ネットショップ」と考えることができません。「ネットショップ←お客様」という風に考えてしまいます。だからこそ、「ネットショップをつくれば、日本全国、いや、世界中からお客様がやってきてくれるかもしれない」と勘違いしてしまうわけです。ネットショップの成功事例はたくさん転がっていますが、黎明期~成長期を除いて「ネットショップを作ったら売れた」なんてことはなく、どこかに必ずお客様に見つけてもらう仕掛けがあるはずです。「売上10万のフェイズ」では、まずは「ネットショップ←お客様」ではなく「お客様→ネットショップ」であることをスタッフ全員、腹の底から理解しましょう

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。