ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

いまネットショップをやっていない会社ほど成功の可能性がある【no.0807】

 「ネットショップの運営を始めるのが怖い」そんな事業者さんがいると思います。実は、たくさんおられると思います。

 どこかの誰かがインターネットを上手く活用しているという話は聞くのだけれども、身の回りにはネットショップを上手く運営している仲間がいない。でもインターネットに新しい販路を求めていきたい。ただ、インターネットの世界は怖そうだ。そんな事業者さんです。

 長年、Eコマース事業をおこなっている会社さんは笑ってしまうかもしれません。しかし、現実に、インターネットに長けている方よりも、インターネットを得体のしれないものと思っている事業者の方が、実は日本全国には多いのではないかと思います。私が全国で講演をしている実感値です。

 実際に、中小機構さんの講演でも「ネットショップに興味はありますが、どうしても二の足を踏んでしまっています。どうすればいいですか?」という質問がありました。ポジティブに考えれば、「ネットショップをやらなくても、今の事業で会社が回っている」ということの表れでもあります。

 ただ、もし「いつかネットショップを本気で始めたい」と思っているのならば、「そこに悩み続けている時間がもったいないですよ」というのが私の回答です。

 ネットショップは思ったよりも売れません。思ったよりもお客様がアクセス(来店)してくれません。そして、思ったよりもお客様に反応してもらえません。もちろん、ネットショップを立ち上げた当初、の話です。

 もしかしたら「ネットショップの運営を始めるのが怖い」と考えている事業者の方は、ネットショップを立ち上げた後、ネットショップの運営に慣れる前にお客様から注文がきて、それを上手く発送できなかったり梱包できなかったり、決済のミスをしてしまったりするのでは?と思っているのではないでしょうか。

 もしくは、お客様からいきなり注文がきて、商品が間に合わずクレームの電話やメールがジャンジャン入ってきたり、注文されたお客様に商品を発送したにも関わらずお金が入金されず困ってしまったりするのではないか、と思われているのかもしれません。

 大丈夫です。その心配はありません。そんなに期待している(もしくは不安に思っている)ほど、ネットショップは売れませんし、アクセス(来店)も来ないですし、反応してもらえませんから。この「反応がない」ということに耐えるのが、実はネットショップを成功させるための第一関門なんです。

 なので、「ネットショップの運営を始めるのが怖い」という「スタートラインの前の前」で悩んでいるのは非常に時間がもったいないです。早くネットショップを始めて、「反応がない」を体験した方がいいと思います。そこがネットショップの本当のスタート地点なのですから。

 そして、実をいうと「ネットショップの運営に頼らなくても、既存事業で売上基盤がある」会社こそ、本当にEコマースで勝てる可能性がある会社になります。リアルの世界で商品力があるならば、インターネットの世界では何倍も売れる可能性があります。ですから、ネットショップをやっていない、二の足を踏んでいる会社ほど、Eコマースを始めた方がいいのです。

 インターネットは「強者の武器」です。リアルの世界での地味で手間で面倒な仕事から「強み」をつくり、インターネットを活用して一気に売上を伸ばす。ネットショップであれば、「商品力×提案力」をリアルを通じできちんとつくれている会社が、インターネットの「集客力」を活用すればいいわけです。

 「いまネットショップをやっていない会社ほど可能性がある」ことの理由がこれでわかるはずです。

 おわり。

 

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 1.Eコマースを始める, 3.Eコマースの収益アップ

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。