ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

Eコマース事業の取り組み方別、「こんな課題に注意!」。【no.0313】

 弊社、ECマーケティング人財育成は、創業してから約3年になりますが、役員である岩佐さん、片貝さんの教えから、とにかく「人と会って話を聞く」ことを徹底して行っています。これまでも、たくさんの方にお会いして、ネットショップ、インターネットビジネスへの悩みを聞いてきました。まだまだ完璧ではないですが、みなさんの悩みどころの傾向がわかってきたので、「こんな課題に注意!」ということでご紹介したいと思います。ちなみに、「売上が上がらない」という悩みは省いております。そちらについては、他のエントリーでたくさん書いてありますので、そちらを参照のこと・・。

*Eコマース専業の会社の場合
 メインの事業としてEコマース事業を行っている会社。このような会社は、少なくともインターネットビジネスに長けている人間がいます。もっとも長けているのは創業者である経営者。そして創業メンバーの面々も、マーケティング、ウェブサイトの制作、システムの開発などに長けている場合が多くあります。Eコマース専業の会社が悩むとすれば、スキルやノウハウがないことではありません。事業を回すことができる人財が少ない(もしくは育っていない)ことです。インターネット専業の会社は、どうしてもスタッフが若くなりがちです。一気に事業が拡大し、他社でのマネジメント経験もあまりないまま、後輩の面倒を見なければいけなくなります。事業、組織、両面からのマネジメント層の育成がポイントになりますね。

*Webサービスをやっている会社が、Eコマースを始める場合
 これまでEコマース事業者向けのソリューション(ウェブサイトの制作や開発、広告代理店)を提供していた会社がEコマース事業を始める場合。もしくは、Webサービス(メディアサイト)を通じて獲得したユーザーをEコマースに流しこんでマネタイズしたい場合。このような会社の課題としてあげられるのは、小売りの知識の欠如かと思います。インターネットに対するスキル・ノウハウは十分に持っていても、物販における仕入れ、在庫管理、物流、入金、そして売り方などの知識に困ることが多いと感じます。結果、UIやUX、サイト構造やレスポンスなどという、ウェブのスキルや知識の方で勝負をしがちなので、注意が必要です。Eコマースは、あくまで小売業と考えてください。

*リアルのビジネスをやっている会社が、Eコマースに販路拡大する場合
 リアルの世界で商売をやってきて、Eコマースにチャネル展開する会社が困るのが、インターネットにおけるマーケティングの知識の無さと、特にウェブサイトの制作力の弱さでしょう。知識と判断基準がないために、悪質なソリューション会社の言いなりになってしまうことが多いので注意が必要です。社内のリソースだけでネットショップの運営を行わず、アウトソーシングを使ってネットショップを回していくならば、おおまかでも自社としてのEコマースの事業計画があり、そして集客、制作などのアウトソーシングの判断基準を持っていることが望ましいと思います。逆に、小売りの知識はリアルのビジネスにおいて十分に培っているわけですし、この手の会社の多くは「自ら商品を作れる」わけですから、インターネットの知識をつければ、鬼に金棒状態になれると思います。

 成長のフェイズによって、各社の課題は異なると思いますが、Eコマース専業の会社であれば「人財育成」、ウェブベースの会社のEコマースであれば「小売りの知識」、リアルの会社のEコマースであれば「インターネットの知識」あたりが、まずぶち当たる壁になりそうです。当然、ウェブベースの会社もリアルの会社も、Eコマース事業が成長してくれば、「人財育成」という壁に必ず当たることになるかなと思います。

 おわり。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。