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転換率(コンバージョン、CVR)‥実はそこまで重要ではない!?【no.1362】

ネットショップの転換率について解説をしていきます。

ネットショップの売上を上げるには大きくふたつの方法があります。ひとつはネットショップへの来店、アクセスを増やすことです。そしてもうひとつはネットショップにアクセスしたお客様の「転換率」を上げることになります。

そもそも転換率とはなんだろうか?

釈迦に説法かと思いますが、転換率の解説です。

転換率とはネットショップにアクセスしたお客様が商品を購入する確率です。「受注件数÷アクセス人数」で計算することができます。受注件数が10、アクセス人数が100ならば転換率は10%と計算されます。転換率はコンバージョン(率)、CVRとも表現されることがあります。

ここで押さえておきたいことは、転換率は「割り算」で計算されるということです。ですから、分母によって数字が変化します。分母であるアクセス人数が少なければ高い転換率になりやすく、アクセス人数が多ければ低い転換率になりやすくなります。

アクセス人数や受注件数が基本的に「数が多ければ多いほど良い」ものであるのに対して、転換率は「高ければ良い、低ければ悪い」とは一概に言えません。

ネットショップの転換率の相場はどれくらい?

「うちの転換率は適正ですか?」という質問をいただくことがありますが、転換率はサイトのデザインやレイアウト、商材、価格帯、顧客層、運営サイクルによって異なりますから、良いも悪いもはっきり言えないのが通常です。一般的に、転換率は1%から8%のレンジに収まります。ボリュームゾーンは3%前後でしょうか。転換率の高いネットショップと低いネットショップでかなり開きがあります。

自社サイト、楽天市場、Yahoo!ショッピングというネットショップの販売チャネルを比較したとき、一番高い転換率が出やすいのは楽天市場です。続いてYahoo!ショッピング、自社サイトの順番になることがおおいようです。

自社サイトでもリアルの世界でのブランド認知があるネットショップは転換率が高くなります。楽天市場に出店しているネットショップの数字を超えることもあるでしょう。もしアクセス人数・転換率ともに自社サイトが一番高いければ、おめでとうございます!あなたのEコマース戦略は成功です。

ネットショップの転換率を上げるには?

ネットショップの転換率を上げる方法として、手早いのは商品ページを改善することです。商品ページのファーストビューの画像や文言、装着画像・使用画像、スタッフ・お客様レビューなどの情報を追加・修正することで転換率は改善していきます。もちろん画像をクオリティの高いものに撮り直すのも有効です。閲覧数(アクセス)の高い商品ページから改善を施せば、ネットショップ全体の転換率の改善も早くなります。

中期的な目線でみれば商品ページだけを改善するのではなく、ヘッダー・サイドナビ・フッターなどの固定ページの改善、配送情報や決済方法や会社概要など基本情報の改善、作りこみのコンテンツや販促企画の追加などが転換率をジワジワ上げていきます。商品ページだけの問題ではない、ということですね。

長期的というか決定的に転換率を上げるには。方法がふたつあります。ひとつは商品力のある商品を開発すること。商品力は細かいページの改善を凌駕します。そしてもうひとつはブランドになることです。リピーターのお客様が増え、指名買いをしてくれるほどの認知力があれば転換率はおのずと上がります。他と比較されないネットショップになるわけです。

―――、以上ネットショップの転換率について解説をしました。最初の項にも書いたとおり、転換率はあくまで「割り算」の数字です。日々改善を加えていても、それ以上のペースでアクセスが増えれば転換率は上がりせん。売上・受注件数・アクセス人数、この3つが増えれば基本的にはOKなわけですから、転換率はあくまで「ひとつの改善目安」として活用してくださいね。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。