ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

組織の習慣とルールをハイブリッドに変える【no.2010】

 組織の習慣とルールをハイブリッドに変える。企業の成長と衰退に大きく関わる2022年になりそうです。今回のECMJコラムはECから少し拡大した話です。

定着した習慣とルールが今後の足かせに

 さすがに今回のまん延防止等重点措置の解除でコロナ騒動は一旦の終着点でしょうか。2年間続いたコロナ禍。まだ完全に終わったとは到底言い切れません。しかし、「そろそろ経済活動を回して、以前の生活を」という機運が高まっています。戦争問題や地震など、世間やメディアの矛先がズレ始めているのも理由です。

 ワクチンの第三回目の接種が進んでいること。特段に新しい新株が発見されていないこと。これから暖かい季節に入っていくこと。このあたりもコロナ騒動を落ち着かせる原因になっているかもしれません。ただ、こと経済活動を見回すと、この2年の間に定着した「習慣」「ルール」が今後の成長の足かせになります。ここは業界や人の考え方によりかなり差がありそうです。

本当にオンラインで足りているのか

 コロナ禍はリモートワークを加速させました。会議はオンラインが中心になり、情報の共有もオンラインが中心になりました。その結果、「仕事はオンラインでもできる」という気づきもありました。オンラインでの業務はスタッフの時間選択の自由もあるため、多くのスタッフに指示されています。ただ、現状の仕事を回すならオンラインでできても、新しい仕事を想像する、新しい取引先を想像する場合、オンラインだけで足るものなのか、疑問があります。

 ECMJのケースです。この2年の間にオンラインの商談のみで顧問契約に至った会社さんがいくつかあります。オンラインのみでの新しいセミナー依頼、新しい勉強会も発生しています。しかし、それがオンラインで本当に足りているものなのかがよくわかりません。オフラインでの交流があれば、さらに良いコンサルティングやさらに良いセミナーができたのではないかと思うのです。

習慣とルールをどうクリアするかが課題

 このコロナ禍を通じて、私たちには「オンライン」という選択肢ができました。これを今後も有効に使っていくことが大切です。ただ、それが「オフライン」という選択肢を無くすこととは別問題です。できればコロナ以前のように「オフライン」という選択肢をもっておきつつ、「オンライン」と上手に使い分けることが理想なのではないでしょうか。そこで困ってしまうのが、この2年の間に定着した「習慣」「ルール」です。

 この2年の過程の中で、リモートワークやオンライン前提の業務を「ルール」にした会社さんがあると思います。また、他社とのアポイントは基本的にオンラインとして習慣づいている会社さんもあるでしょう。一旦それが「習慣」「ルール」として根付いてしまうと、ある意味の出不精になってしまいます。この「習慣」「ルール」をどうクリアするのか、それが2022年の課題になると思うのです。

物理的に動きながらオンラインを活用する

 FacebookやTwitterなど、SNSを見ていると、すでに「動いている」人はいます。そして「動いている」人は日本中かまわず商談に向かっています。現地視察に動いています。もちろん動いている中で「オンライン」という選択肢を持っています。出張先の北海道で、福岡のお客様とオンライン会議をしているような状態です。オフィスでオンライン会議、自宅でオンライン会議。ここからさらに進んだビジネスの動き方です。

 物理的に動きながらオンラインを活用していく。物理的に動いていることをオンラインで付加価値にしていく。そんな世の中のスタートです。組織の「習慣」「ルール」をいかにハイブリッドなものに変えていけるか。新しい時代の幕開けになるのかもしれません。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。