著者:石田 麻琴

きたれ女性と若者!競馬人気をまくり差せ!競艇場「売上アップ」マーケティング。十八【no.0710】

 きたれ女性と若者!競馬人気をまくり差せ!競艇場「売上アップ」マーケティング。(前回はこちら

 もし戸田競艇場の来場者比率の7割が、戸田市・川口市・板橋区・和光市、の4市区で占められていて、さらにその内訳が戸田市4割、川口市1割、板橋区1割、和光市1割だったとします。

*「突き抜けた」実績からみる「潜在需要」の可能性

 ひとつの考え方としては、この来場者数の7割を占める4市区に、マーケティングを絞るというものがあります。この7割の4市区で10割にもっていくという考え方です。7割を10割にすると、現状の1.4倍のアップ率です。つまり、全体に対して、戸田市を5.6割、川口市を1.4割、板橋区を1.4割、和光市を1.4割までもっていくということです。この場合、当然、マーケティングの「お金と時間」のコストは、上記の比率でかけていくところからスタートということになります。

 もうひとつの考え方です。全体の7割を占めるのが4市区。その中でも、全体の4割の来場者数を占めているのが戸田市です。川口市、板橋区、和光市の3市の合計が3割であるわけですから、4割といえば相当な数字です。いっそのこと、マーケティングの「お金と時間」のコストをすべて戸田市に集中させてしまう。戸田市に絞るわけです。前者のマーケティングよりもいくぶん乱暴ですが、どちらかというと私はこちらの方が好みです。

 なぜかといえば、現状で4割の来場者数という「突き抜けた」実績があるならば、さらなる「潜在需要」があることが見込めるからです。つまり、この「戸田市の4割」が鉱脈である可能性が高いといえます。この鉱脈を徹底的に攻めてみよう、というわけです。

*まずは「狭い範囲でのNO.1になること」

 普通の考え方だと、やはり「商圏の範囲」を広げたいという気持ちに駆られると思います。川口市も板橋区も和光市も、同時にマーケティングした方が、そもそもの母数は大きいでしょ、という意見です。これも、間違いではありません。ただ、マーケティングの原理原則からいえば、まずは「狭い範囲でのNO.1になること」これが重要です。

 いまの世の中には、遊びの選択肢がたくさんあります。中途半端なマーケティングでは、お客さんは見向きもしてくれません。戸田市・川口市・板橋区・和光市と、商圏を広げるよりも、まずは戸田市に住む「中年男性」だけに絞って、徹底的にマーケティングをおこない、「戸田市の遊び場といえば、戸田競艇場だ!」を浸透させていきたいところです。

 マーケティングの成果としての来場者数をカウントするにあたって、システム上のハードルを加味しないならば、できれば「来場した戸田市民」の数をカウントしていきたいところです。戸田市を徹底的にマーケティングするならば、戸田市の来場者の成果をきっちり残し続けなければいけません。

*マーケティングの正解は「効果があった方法」

 このとき、同時に川口市や板橋区、和光市、その他の地域からの来場者が増えることがありますが、これは来場者としては当然カウントするものの、「マーケティングの成果」としてはカウントをしません。来場者が増えたとしても、戸田市民に対してマーケティングをおこなっているならば、戸田市民の来場者の数が増えていなければ、「マーケティングとしては失敗」なのです。他の地域からの来場者が増えたとしても、「そこは、たまたまラッキーだった」と割り切りましょう。

 では、戸田市民に「中年男性の遊び場」としての戸田競艇場をアピールするにあたって、どのような手段があるでしょうか。チラシ、広告、インターネット、イベント・・いくつかの選択肢があると思います。ここに正解はありません。強いていうなら「効果があった方法」が正解です。

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