著者:石田 麻琴

毎日必ず決まったことをして、ニタニタ笑っていました。 【no.0151】

(前回のブログを読まれていない方は、まずこちらからお読みください)

 石田さんはアイドルの芸能事務所を始めました。「メガネ歴女」という妙なセグメントで、アイドル候補生を100人集め、インターネット上で人気投票形式のオーディションを行いました。アイドル候補生たちの個人ページへのアクセスと投票率を毎日確認していましたが、最初の「金の卵」になんとなくピンとこなかったので、さらに100人の候補生を追加して、200人の候補生でオーディションを続けることにしました。その中から、A子さんとB美さんという、2人のスター候補が現れました。というのが、前回までの話。

*B美さん一本にリソースを徹底集中させることにした

 A子さんとB美さんを「定量的」に判断したときに、A子さんは100人あたり3人の得票、B子さんは100人あたり3.5人の得票だったので、石田さんはB美さんを「金の卵」として、「サイトの顔」「人気投票オーディションの顔」「アイドル芸能事務所の顔」にすることにしました。A子さんの得票率も悪くはないので、A子さんとB美さんとの2本柱での露出も考えましたが、「こんな貧乏&新米の芸能事務所が、2本柱をバランス良くアピールしたって大手に勝てるわけがない」と思い、B美さん一本にリソースを徹底集中させることにしました。

 「目指せ!次世代メガネ歴女アイドルオーディション」という、人気投票サイトのトップページ、ファーストビューでいきなりB美さんの写真。アイドル候補生の個別ページからも、「現在のメガネ歴女NO.1はこの子だ!」というフッターをつくり、B美さんの顔写真を掲載し、個人ページへのリンクを引っ張りました。「贔屓はいけないかな・・」と気にしつつも、B美さんの個人ページをより強化することにしました。いままでのような、顔写真を数枚、全身写真を1枚の掲載ではなく、身長・体重・スリーサイズ・趣味・休日の過ごし方など、B美さんの様々な情報を個人ページに載せました。サイト上で、B美のインタビュー記事も特集企画として載せました。B美さんだけ、個人ブログを開設させました。つまり、B美さんをゴリ押したのです。

*中身は完全にB美さんのゴリ押しとなった

 表向きは、「メガネ歴女を200人の候補生からオーディション、人気投票をする」という企画なのですが、中身は完全にB美さんのゴリ押しです。少なくとも石田さんは、「ここは徹底してB美さんを押そう。とにかく、メガネ歴女オーディションを知ってくれた方に、そのメインであるB美さんの存在を知ってもらわなくては負けだ」と考えていました。石田さんの頭の中は、B美さんのことでいっぱいです。どのようにして、このメガネ歴女サイトに人を集めてくるか、集まった人にどうやってB美さんを知ってもらうか、それしかありません。石田さんは、メガネ歴女サイトの中の回遊や、B美さんの個人ページの改善、ブログやSNSでのメガネ歴女サイト情報の発信(といっても、ほとんどがB美さんの記事)、インターネット広告や広報を使ったプロモーションを行っていく中で、毎日必ず決まったことをしていました。

*マコちゃんノートに仕事を書き留めるのを欠かさない

 石田さんは、毎晩、寝る前に、今日どんな仕事をしたか(つまりB美をどうゴリ押ししたか)を書き留めていました。疲れすぎて睡魔に激しく襲われた日も、友人や取引先との飲み会で泥酔した日も、マコちゃんノートに仕事を書き留めるのを欠かしませんでした。さらに、石田さんは、翌朝起きると、前日のメガネ歴女サイトのアクセス数と得票数を必ず書き留めていました。加えて、絶賛ゴリ押し中の、B美さんの個人ページのアクセス数と得票数も必ず書き留めていました。そして、前日の数字を書き留めると、前の晩に書き留めた仕事の内容と見比べながら、「ははーん。B美さんの巫女姿の写真を加えたら、得票率が一昨日に比べて伸びたなぁー。サイト全体のアクセスが増えたのは、『メガネ 池袋』で検索上位にヒットするようになったからだなぁー」などと考えて、ニタニタ気持ちの悪い笑いを浮かべていました。

 仕事でやったことを、きちんと書き留め、さらに毎日決まった数字を取ることで、「自分がやったことが、成果にどう影響しているのか」を、「定量的」に評価する習慣をつけていたのです。これにより、石田さんに新しいアイデアが浮かびました。

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