著者:石田 麻琴

広告文AをページAに、広告文BをページBにリンクする【no.1344】

(前回はこちら)

「私は麻間(あさま)さんがいっていることの意味がわかった気がするなぁ」友花里さんがいいました。七海さんは友花里さんを不思議そうな目で見ています。

「でもさ、一番数字が取れる広告文がわかったことだし、広告費をその広告文メインで使えばいいだけじゃない?わざわざコンバージョンが低い広告文を改良するのってあまり意味がないんじゃないかと思うんだけど」七海さんが不満そうに言いました。

「七海、いい。麻間さんがいわんとしていたことって『広告文』を改善しようってことじゃないと思うの。たぶん、麻間さんが私たちに出した宿題は『広告文』のひとつ先を改善してみなさいってことね」友花里さんはホワイトボードに「広告文」という文字を書き、その文字を丸で囲みました。そして、その丸から右側に伸びる矢印を引き、またひとつ新しい丸を描きました。「ここ。だよね」友花里さんが言います。

「ってことは、さっき麻間さんが帰りがけにくれたヒント『キーワード検索→広告表示→広告クリック→ECサイト→購入』の流れからすると・・『広告表示』に改善のポイントがあるってことか!」七海さんが大きな声をあげました。すかさず友花里さんが言葉を被せます。「いやいや、違うでしょ」

「違う違う。いままで私たちがやってきた広告文のアイデアや改善が『広告表示』ってところだから、麻間さんが求めている改善は『広告クリック』にあると思うの。つまり広告文をクリックした後、お客様にどんなページを見せるかってことね」友花里さんは先ほどホワイトボードに描いた空欄の丸の中に、「ページ」と書きました。

「でも、広告文をクリックした先って、いずれにせよ『笹かまオニギリ』のネットショップってことなんじゃないの?今までもそうやってきたし、そこは変わらないような・・」七海さんはいまいち友花里さんの意図が掴めないようです。

「だから、その考え方が今までの固定観念だったんだと思うの。広告からのリンクは『笹かまオニギリ』のネットショップのトップ―ページだってことに。私たちずっとトップページにリンクを貼ってきたじゃない。広告文のクリック率を上げる目的ならば広告のリンク先は同じで良いと思うだけど、広告をクリックした方のコンバージョンを上げるためには、同じページじゃダメなんだと思うわけ」

 友花里さんはホワイトボードに描いた「広告文→ページ」の下に、もうひとつ「広告文→ページ」という絵を描きました。そして上にある「広告文→ページ」には広告文とページにAという文字を付け「広告文A→ページA」に、下の「広告文→ページ」には広告文とページにBという文字を付け「広告文B→ページB」と表記しました。このふたつの絵を指さして友花里さんは言います。

「いままでは広告文Aも広告文Bも同じページAにリンクさせていたわけじゃない。麻間さんが私たちに要求しているのは広告文AをページAに、広告文BをページBにリンクすることなんじゃないかと思うの。もしかしたら広告文AもページCにリンクした方がコンバージョンが取れるかもしれないし」

「なるほど。っていうことは、だよ。一番高い転換率だった『イモ焼酎に合うのはコレ!のんべぇさんのためのおつまみ。』と一番クリック数の多かった『全国の焼酎マニアさんお待たせしました!新おつまみのご提案。』はお客様に求められているページがそれぞれ異なるってことかぁ」七海さんは友花里さんの話を理解したようです。

「いつも麻間さんが言ってる、『訴求力』ってやつね」

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