著者:石田 麻琴

「のんべぇ」と「焼酎マニア」。キーワードでページはどう変わる?【no.1365】

(前回はこちら)

「じゃあ、『焼酎マニア』の方。こっちのイメージはどうだろうね」七海さんがいいます。

「うーん。『マニア』って言葉だけだと、いわゆる『オタク』みたいなメガネキリッ!みたいな人を想像しちゃうけどね。でも『焼酎マニア』でしょ。焼酎マニアはオタクっぽいイメージじゃないよねぇ」友花里さんがいいました。

「そうだね。なんだろ。『焼酎マニア』っていうくらいだから、家には何本も焼酎が常備されてるんだろうね。しかもそれはイモ焼酎だけじゃないよね。麦焼酎とか米焼酎とか。いろんな焼酎を飲み比べてるっぽい人のようなイメージかなぁ。焼酎バージョンのバーテンダーみたいな」七海さんがいい方向に妄想を膨らませているようです。

「焼酎のバーテンダーか。ちょっとイメージが良すぎるきもしないでもないけど、さっきの『のんべぇ』とは逆で『焼酎マニア』を『焼酎のバーテンダー』みたいな見せ方をしたら、お客様は嫌な気分はしないだろうなと思うよ。じゃあさ、『のんべぇ』と『焼酎マニア』にとっての『わさび漬け笹かまぼこ』の選び方ってどういうところだろう」友花里さんが思いつきで七海さんに無理難題を投げます。

「うーん、どうだろ。難しい質問ねぇ。ちょっと『のんべぇ』のイメージがわからないんだけれども、『焼酎マニア』の方はなんとなくイメージがつくかも。『焼酎マニア』のひとは何かの特定の焼酎に『わさび漬け笹かまぼこ』を合わせるんじゃなくて、『わさび漬け笹かまぼこ』に合う焼酎を探しそうな気がするよね。だから、もう一方の広告文が『イモ焼酎に合うのはコレ!』ってなってたと思うんだけど、『焼酎マニア』のお客様にとっては余計なお世話だと思うんだよね」七海さんが自分の意見に頷きながらいいます。

「つまり、イモ焼酎に合うかどうかは自分に決めさせろ!と」友花里さんが合いの手を入れます。

「そうそう。そうなの。『焼酎マニア』にはどの焼酎に合うとかこちらから伝えるよりも、『わさび漬け笹かまぼこ』の商品力をきちんと紹介して、お客様の中に『こんな焼酎に合いそうだな』ってイメージしてもらうことが大切だと思うの。その材料を盛り込んだページがいいんじゃないかなぁ。だってさ、そもそも『焼酎マニア』の方の広告文って『全国の焼酎マニアさんお待たせしました!新おつまみのご提案』じゃない?提案するのは楽しみ方ではなくて、『わさび漬け笹かまぼこ』その商品自身だと思うの」七海さんが言い切りました。

「あんた、いつの間にそんな説得力あること言えるようになったの?ビックリしたわ。そしたら逆に『のんべぇ』のページの方は、イモ焼酎と『わさび漬け笹かまぼこ』の組み合わせの提案ってところをメインにしてつくっていっていいと思う?」友花里さん思わず質問をしました。

「うーん、『のんべぇ』の方はまだいまいちわからないんだけど、基本路線はそこでいいと思う。なんか面白いね。同じような文章だと思ってたのに、実は全然違う文章で、それを表現するためのページをつくろうと思ったらさらに全く違うポイントが生まれるという。まさに麻間(あさま)さんがいってた『訴求力』ね。いい結果が出そうな気がするわ、これは」七海さんが自信を持っていいました。

 七海さんと友花里さんはふたつの広告文からの飛び先ページの要件を整理し、リンク先ページの作成に取り掛かりました。そのページをキーワードと広告文にリンクさせ、再びリスティング広告を回します。一週間後は麻間さんとの定例ミーティングの日でした。

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