著者:石田 麻琴

ECMJの嬉しいニュース。BtoCの顧問先の成果。【no.1447】

 ECMJ顧問先の嬉しいニュース。もうひとつ。

 こちらはBtoCの会社さん、今年は春先から苦戦をしていたのだが、秋に入って売上が一気に伸びてきたとのこと。結果としてお役に立てていない期間が長かったものですから、喜びもひとしおです。前年同月比、倍近くの成果が出ています。いやー、本当に長く感じました。

 こちらも少しだけ取り組みについて紹介をします。

 BtoCの会社のEコマースのマーケティングのポイントは商品企画と認知拡大です。このふたつがベースにあって、その上に提案力・表現力が積み重なってきます。あくまで商品企画と認知拡大の策がないと、ネットショップをテクニカルにいじったとして大きな成果には繋がりません。

 もともとは製造メーカーをやられてきた会社です。実店舗で販売している会社さんの商品企画・製造をおこない、何千個・何万個という商品を納品するビジネスを展開してきました。しかし、BtoBの商売はリスクも大きい。契約が更新されなければ年商数億円という売上を一瞬で失います。毎年毎年、契約の条件が変わります。当然ながら、条件が自社にとって良いものになることは少ないようです。

 そしてなにより、BtoBの商売は「お客様の反応」がわからない。BtoCの販売軸を持っていれば、お客様のリアルの反応がわかりますし、それを次の商品企画に繋げていくこともできます。社内教育・社員教育の上でも、BtoCをおこなうことが大切だ、という判断でした。

 こちらの会社さんがメインで取り組んでいるショッピングモールのネットショップのポイントは、「ヒット商品」を1商品出すこと。ひとつのヒット商品が売上の軸になり、また新しいお客様に認知拡大するための集客の軸になります。自社で発売している商品、これから発売する商品の中でどの商品がヒット商品になりえるか、その「ヒットの芽」をデータから探していくことが、ショッピングモール攻略のポイントになります。

 もうひとつ。商品には売れる時期と売れない時期があります。トレンドというものです。季節やタイミングによって売れる商品が変わっていきますから、データから見つけた「ヒットの芽」も次のタイミングにはトレンドから外れてしまっている可能性があります。これが難しいのです。いま売れる商品は何か、これから売れる商品は何か。前年同月のデータを確認しながら、露出や改善をはかる商品を探して手を打っていかなければいけません。

 トレンド性のある商品ほど、売上に繫がるのに時間がかかります。多くの場合、トレンドというのは年間に5回、10回とあるわけではなく、多くの場合は年に2回か3回です。ということは、仮説検証ができるのも年に2回か3回ということになります。しっかりとした目的や仮説をもって仕掛けることをしないと、ただ漫然と結果を飲み込むだけの時間が過ぎていってしまいます。

 前回のBtoBの会社さんの例、BtoCの会社さんの例、どちらも本質は一緒です。成果が出るには時間がかかります。どちらかというとBtoBの会社さんの方が時間はかかります。自分ひとりの判断では決めることができない場合があるからですね。BtoCの会社さんの方が時間は短くて済みますが、いずれにせよ大切なのは継続です。

 成果はモチベーションが下がった後にやってきます。モチベーションが高い間の改善で実績に繋げることができれば良いのですが、それは非常にラッキーなパターンで、「このまま進んで大丈夫か~」の後に成果がやってきます。モチベーションが高い間に成果が出たとすれば、誰でも成功しています。ポイントはモチベーションが下がった後、どうやって改善の継続を繰り返していくかなのです。

 前回と今回、紹介した会社さんは「やり抜いて」います。あなたの会社のインターネット戦略はどうでしょうか?

 おわり。