著者:石田 麻琴

お忙しいみなさんに贈る、時間のつかい方ノウハウ②【no.1930】

(前回のコラムのつづき)

 時間の使いかたに上手くなろうシリーズの②回目です。今回、ご紹介したいのが前回のコラムの最後にちょこっとだけ触れた「工程分け」です。仕事を工程分けして進めることで円滑な時間の使いかたを実現することができます。

よくある重めの仕事。それが資料作成

 たとえばですが、私の場合、よくある重めの仕事がセミナーの資料作成です。最近はオンラインのセミナー講演をする機会が増えてきました。また、生配信ではなく動画収録の上、オンデマンド配信みたいな依頼も多くなっています。リアルタイムでの質疑応答が必要なければ「動画収録→配信」で問題ないんですよね。

 ただほとんどのケースで必要になるのが「資料作成」です。もちろん過去に作成した資料をある程度流用するケースもあります。ただセミナーのテーマはご依頼によって微妙に異なるので、基本的には「さら」の状態から内容をつくっていくんですね。で、この「資料作成」の仕事が私にとっての重めの仕事になります。

 資料作成の仕事の場合です。ある一日を「資料作成の日」としたとして、いきなり資料の作成に取り掛かることは難しいと思います。またパワーポイントの1枚目から資料を書いていくことも、難しいと思います。きっちり構成ができていないと、全体のバランスがおかしくなります。そして伝えたいことの一貫性がとれていない資料になります。最悪の場合、途中まで書いた段階で疑問を持ちはじめ、やり直しになるという・・

仕事の「工程分け」が大切

 このようなことを防ぐためにも仕事の「工程分け」が大切です。「迷い」や「やり直し」は時間を上手に使う上では大敵なのです。今回の「資料作成」という仕事ならば、

①:どういった内容を伝えたいかを書きだす(乱雑に)。
②:目次として盛り込みたいことに整理して書きだす(乱雑に)。
③:目次としての順番を整理する(きちんと)。
④:資料のひな型を準備する(資料のバランスをイメージする)。
⑤:頭を使わなくて作成できる部分だけを作成する(本編では部分。会社紹介とか)。
⑥:本編を70%くらいの出来でいいので作成する(本当に70%で良い。まず終わらせる)。
⑦:資料を見直し70%を80%、90%に引き上げていく(これを何度か繰り返す)。

 こんな感じで工程分けをしていくといいと思うんですね。次にこの7つの仕事について、1つ1つどれくらいの時間が必要かを設定します。おそらくこんな感じになるのではないでしょうか。

1つ1つどれくらいの時間が必要か

①:どういった内容を伝えたいかを書きだす(乱雑に)。【30分】
②:目次として盛り込みたいことに整理して書きだす(乱雑に)。【30分】
③:目次としての順番を整理する(きちんと)。【30分】
④:資料のひな型を準備する(資料のバランスをイメージする)。【30分】
⑤:頭を使わなくて作成できる部分だけを作成する(本編では部分。会社紹介とか)。【30分】
⑥:本編を70%くらいの出来でいいので作成する(本当に70%で良い。まず終わらせる)。【1時間×5本】
⑦:資料を見直し70%を80%、90%に引き上げていく(これを何度か繰り返す)。【30分×3本】

 あくまで勝手なイメージですが、こんな感じです。この時点でのポイントはいくつかあります。ひとつは「時間の最小単位が30分」になっていること。⑥と⑦が「5本」と「3本」になっていること。このあたりに気づかれた方がいらっしゃるのではないでしょうか。

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