ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

Eコマースの広告費率。適正なのは月商の●%!?【no.1346】

Eコマースの適正な広告費について考えていきます。

 Eコマース事業の売上を拡大させていく上で、適正な広告の活用は欠かせない一手です。ECMJのコンサルティングではできる限り広告を使わないところからスタートします。しかし、売上をガツンと伸ばすタイミングでは適正に広告を活用していきます。私自身がネットショップ運営者時代に広告戦略を軸に売上をつくった実績があります。

Eコマースの広告費率の市場感

 ネットショップでどれくらいの広告費を使えば適正か、なかなか定義できません。私がネットショップを運営していた時代(2011年頃)は月商に対して10~15%の広告費を使っているネットショップが多かったように感じました。月商100万円に対して10~15万円です。現在では月商に対して5~10%の広告費でしょうか月商100万円に対して5~10万円です。

Eコマースの広告費率が下がっている理由。

 あくまで上記の10~15%、5~10%は目安です。商材や商品原価率、メーカー運営のネットショップなのか小売り運営のネットショップなのか、はたまた販売戦略によっても広告比率は異なります。

 なぜ広告費率が下がっているネットショップが多いか。ひとつはリピーターがついているからです。生き残るネットショップにはリピーターがついています。リピーターを軸にネットショップの運営を回すようになったため、広告費を使わなくても良いというのが理由です。逆にいえば、新規顧客を獲得するコストが上がりすぎている。そして、リピート中心のネットショップ運営がトレンドだともいえます。

広告費率が下がった大きな理由は広告効果の減

 もうひとつ。こちらの方が強い要因かと思います。広告効果が以前に比べて落ちているため広告比率が下がった、と言えます。

 例えば10万円の広告をかけて30万円の売上が戻ってくれば、広告としては成功です。しかし10万円の売上しか戻ってこなければ広告は成功とはいえません。ネットショップの事業者が広告をより選別するようになった。また、やみくもに広告をかけるのではなくコストを他に配分するようになった。このあたりも広告比率が下がっている実情ではないでしょうか。

20%以上や33%というネットショップもある。

 ただ、広告費率20%以上、30%以上というネットショップもあります。これはECMJと関わりのあるネットショップに限った例です。他のネットショップでは広告比率50%以上というところもあるはずです。こういったネットショップは基本的に広告費をかけることのメリットとデメリットを十分に理解しています。広告費の成果検証の仕組み、ノウハウも蓄積しています。ですので、参入直後のネットショップが真似するところではありません。

適正なEコマースの広告費率の考え方

 最後に、適正な広告費の考え方の一例です。商品原価率50%の商品に10万円の広告をかけたとします。この場合、最低20万円の売上が戻ってくれば良しとします。売上における利益は広告費に償却された。しかしネットショップの認知は拡大し、新規のお客様を得られたという評価です。

 もうひとつはLTV(ライフ・タイム・バリュー)の考え方。同じように商品原価率50%の商品に10万円の広告をかけたとします。売上が15万円しか戻ってこなくても良い場合があります。購入いただいたお客様のリピート回数、リピート総売上がデータ上読めている場合です。この回の広告費については赤字ですが、長い目線でみれば黒字になるという考え方です。大切なのはデータの裏付けですね。

 以上、ネットショップと広告費の考え方についてまとめました。ぜひ参考にされてください。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。