ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネットショップの目標設定はスタート後に決める!【no.1361】

ネットショップの目標設定について考えていきましょう。

事業をスタートさせるために事業計画を立てることが多いかと思います。ネットショップをスタートする場合、どのように事業計画を立てればいいのか、どのように目標設定をすればいいのか難しいところです。そんな中でもネットショップの目標設定をするひとつの考え方として参考にされてください。

スタート以前の目標設定はあくまで意欲でしかない

まず最初に知ってもらいたいことは、ネットショップをスタートさせる以前に設定する目標は「その目標値に到達するように頑張ろう」という意欲の表れにしかならないということです。良くいえばモチベーション、悪くいえば妄想・気休めということになります。

ネットショップが存在するインターネットの世界は市場感がはっきりしません。ネットショップの属するカテゴリの市場がどれくらいかもはっきりしていませんし、競合の数もはっきりしません。また競合と思われるネットショップの数字もスタート以前はまず検討がつきません。

ネットショップと実店舗はそもそもの概念が異なる

スタート以前の目標設定が可能なのは実店舗の方です。いわゆる既存のビジネスである実店舗ではスタート以前の目標設定が可能でした。同じようにネットショップでもスタート以前の目標設定が可能だと思っている方がいます。間違いです。

実店舗には商圏があります。商圏内にどれくらいの対象顧客がおり、所得はどれくらいで、どれくらいのお金を使ってもらえる可能性があるか、スタート以前に予測することができます。また実店舗の競合も目に見える形で存在しますし、どれくらいお客様が入っているかも目視で予測することができるはずです。目標設定がしやすいといえます。

ネットショップの目標設定はスタート後に決める

ネットショップの目標設定のタイミングがあるとすれば、ネットショップをスタートさせた後ということになります。

ネットショップを立ち上げ、ネットショップをオープンさせます。ネットショップという「自分たち」を見るのではなく、競合や市場という「外」を見ながらネットショップを改善していきます。配送方法や決済方法、サイトのナビゲーションなど、「外」のネットショップとベースが整った時点での数字、これが目標設定をするための材料になります。

ネットショップのオープン後、早くて3か月、時間をかけたとして6か月強の時点で、この「ベースが整った」状態にしたいところです。

売上目標を立てるために、自社の係数をみる

ネットショップの売上は「アクセス人数×転換率×客単価」で計算することができます。ベースが整った状態までネットショップを改善すると、この「アクセス人数」「転換率」「客単価」のバランスが自社のネットショップではどのような形になるのかを把握することができます。

転換率が1%なのか10%なのかは、ブランド認知や商材によって異なります。そしてそればネットショップのスタート以前に予測できることはなく、スタート後におおまかな指標が見えてくるものなのです。もしベースが整った時点での転換率が2%ならば、売上を1.5倍にするために転換率の目標設定を3%にすることが可能でしょう。

ネットショップの目標設定の面白さは、目標数値を売上だけではなく「アクセス人数」や「転換率」などの係数に持ってくることができるところです。自社のネットショップの係数のバランスが見えてから、はっきりした目標設定をおこなってください。

おわり。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。