著者:石田 麻琴

「嫌な仕事は午前中にやる」の原則が大切である理由【no.1519】

 つい先日になるのだが、「作業スピードよりも着手スピード」という文章を書いた。これを読んでくれた先輩が「嫌な仕事は午前中にやる」という話をされていたのだが、そうなのだ。今日は「嫌な仕事は午前中にやる」について書いていきたい。

*嫌な仕事がない人はいない。いるのは・・

 まず、嫌な仕事がない人はいない。仕事というのは「納期」と「品質」を守って初めて仕事になる。お客様への提案も製造も納品も、いついつまでに完了させるという「納期」と、人に自信をもって与えらえれる「品質」の両方を適えることで仕事になり、お金をいただくことができる。

 少なくとも間違いないのは、仕事には必ず「他者(他社)」がいる。自分のペースと自分のクオリティだけで仕事を完結し、それがジャブジャブお金を生む「売れっ子作家」のような人間もいないことはないのだが、それはレア中のレア。99.99%の人間は「納期」と「品質」のプレッシャーと日々戦いながら仕事を遂行していく。

 嫌な仕事がない人はいない、というよりも、仕事とはどこまでいっても完璧に「好きなもの」にはなりえないのかもしれない。嫌いな仕事がない人はいない。そこにいるのは「嫌な仕事」にすぐ着手する人と先延ばしにする人ということになる。

*嫌な仕事を午前中にやった方がいい理由

 なぜ嫌な仕事を午前中にやった方がいいか。それは嫌な仕事は「自分の心の中にはびこる」からである。そもそも「嫌な仕事」というものは存在しない。仕事は仕事で、商品画像の撮影も商品説明文の作成も広告の入稿も分析も、仕事としては一緒である。「嫌な仕事」というものは、自分の感情が決めている。だから「嫌な仕事」は存在しない。

 嫌な仕事を「嫌な仕事」と思うのは一種の心の病気のようなものだ。なんでもないものを「嫌な仕事」だと自分の中で思い込んでいる。「嫌な仕事」への不安感は「嫌な仕事」が終わるまで続く。厳密にいえば「嫌な仕事」の終わりがみえるところに自分が立つまで続く。

 「嫌な仕事」を夕方におこなうスケジュールを組んだらどうか。夕方まで「嫌な仕事」に向かう不安感がつきまとうだろう。もしかしたら自分の周りに態度が出てしまうかもしれない。じゃあ午前中だったらどうか。さっきまでの不安が嘘のようにスッキリとした午後の仕事ができるだろう。

*決めておくからこその良いことがある

 大切なのは「原則を決めておく」ということだ。この場合の原則とは当然「嫌な仕事は午前中にやる」になる。決めておくからこそ、一日の最初に現在抱えている「嫌な仕事」に取り掛かろうという気持ちがわく。いまは嫌だが、後を楽にするためだ。

 原則が決まっていないと「嫌な仕事」に取り掛かるのは自分の中の「気持ち任せ」ということになる。午前中に取り掛かれればいいが、夕方でいいやと思ってしまったり、来週でいいやと思ってしまったり、最悪「なんとか逃げ切れないか」になってしまう。クライアントさんであったり取引先だったりお客様はしっかり見ている。

 午前中は毎日やってくる。平日ならば5回(祝日がなければ)必ずやってくる。「嫌な仕事は午前中にやる」というルールがあれば、「嫌な仕事」の先送りは長くても1日ということになる。また午前中は毎日やってくるが、毎日必ず12時で終わる。「嫌な仕事」を終わるまでやらなくてはいけないわけではない。ひとまず12時まで頑張れば良いという逃げ道もなくないわけだ。「午前中」というのもミソなのだ。

 そして現実には「嫌な仕事」は「嫌な仕事」であり続けない。手つかずの状態では「嫌な仕事」でも、一度スタートして完了のイメージがみえると、なんということはない、「普通の仕事」のひとつなのである。