著者:石田 麻琴

「適度にヒマ」だから変化に対応できる。「着手スピード」が上がる【no.1523】

 適度に「ヒマ」であることが大切なのだと思う。いや「適度」というのは必要なく、もしかしたら「完全にヒマ」な状態でも良いのかもしれない。とにかく、「ヒマじゃない」状態は良くない。

*その日にやることをその日に決める、という話

 スケジューリングとタスク管理はビジネスを着実に成長させるために必要なことだ。緊急性のある仕事、重要性の高い仕事を因数分解してスケジュールを埋めていく。スケジュールを上手につくることができれば周りの雑音に惑わされず「いまに集中している」状態をつくることができる。「自分のペース」に持ち込むことで、仕事が高回転を始める。

 スケジューリングとタスク管理の価値と重要性、具体的な実践策について話したときのことだ。個別に話をした経営者さんがこう言った。「私の場合は、その日やることをその日に決めてるんですけどね」。もちろん人に会う予定や社内の会議など、すでに決まっているスケジュールはある。ただ、「その日に何をやるか」はその日に決めるのだという。

 「だから私はいつでも『ヒマ』ですよ」と。

*午前中に情報収集をして、いま何をやればいいかを探す

 午前中はとにかく情報収集に時間を費やす。ビジネスメール、定期購読をしているメールマガジン、仲間内のfacebookグループ、facebookのタイムライン、ビジネス系の情報メディアサイト・・チェックする情報源は多岐にわたる。その中から「いま自社でやった方が良さそうなことは何か」を考え、午後の仕事を決めていく。

 自分の頭と手だけで完結できない仕事については、スタッフの皆さんの手を借りておこなう。当然ならば、スタッフの皆さんはあらかじめ決められていた午後の仕事が変わることもある。それでも「いま自社でやった方が良さそうなこと」は「いま一番売上につながりそうなこと」だから、着手せざるをえないのだ。大切なのは午前の分析で午後の仕事が変わっても不満がでない「仕組み」ということになる。

*適度な「ヒマ」がないとできないこと

 あらかじめ適度な「ヒマ」をつくっておかないと対応できない仕事というのがある。ネットショップの運営と売上に大きく関わるのはメディア露出など、アクセスの「瞬間最大風速」が突発的に起こったときがわかりやすいところだろう。

 自分が注意していなかった見ず知らずのメディアで自社のネットショップで販売している商品が紹介される。紹介された商品が自分の知らないところでインターネット検索され、自社のネットショップに突然アクセスが集中する。アクセスが増え、そして注文が増える。その注文の異変はメールボックスに落ちてくる注文メールの多さで気づくことになる。

 それがメディアで紹介された直後なのか、それとも1日後なのか、気づかずに時間が過ぎてしまうのか。はたまた直後に気づいたとしても他に埋まっている仕事で忙しく、「瞬間最大風速」を掴み切れずに終わるのか。

*「ヒマ」は「着手スピード」につながっていく

 仕事で大切なのは「作業スピード」よりも「着手スピード」であることは、新年1月5日のECMJコラムで書いた。「着手スピード」をアップさせることに「ヒマ」はつながっている。「ヒマ」をバカにしてはいけない。「ヒマ」な状態をつくっておくことは、「いま一番売上につながりそうなこと」「いままさにお客様が求めていること」にいち早く着手するための準備なのだ。

 アポイントが朝から晩まで入っている。運営作業が朝から晩まで入っている。お客様に求められていることはありがたいことではあるが、ちょっと考えて欲しい。自社は「いま一番売上につながりそうなこと」「いままさにお客様が求めていること」に対応することはできているのか、と。