著者:石田 麻琴

データ分析をアクション(施策)に繋げるための考え方。その1【no.1558】

 データを施策に繋げるための考え方について改めて書いていきます。自社でデジタルマーケティングを展開していくにあたって、「データ活用」の考え方がズレてしまうと勿体ないことになるので注意です。

*とあるショッピングモールに呼ばれた話

 最初に紹介したいのが今から5年以上前。東京にあるとあるショッピングモールに呼ばれたときの話です。ショッピングモールといっても楽天市場やYahoo!ショッピングのようなインターネットのショッピングモールではありません。リアルのショッピングモールです。六本木ヒルズとか東京ミッドタウンとか、そういったショッピングモールのひとつです。(イオンではない)

 そのショッピングモールに呼ばれたのはとある人からの紹介でした。ショッピングモールの実務のトップの部長さんが会議室にやってくると、こう言いました。

「石田さんはデータ分析の専門家だとお聞きしています。そこで聞きたいことがあります。我々が調査会社にお願いして出してもらったショッピングモールのデータがあります。このデータを見てもらって石田さんにデータ分析をしてもらいたいのです」と。

*ショッピングモールに見せてもらったデータの中身

 部長さんから渡された資料にはたくさんのデータが載っていました。

 インターネットのショッピングモールではなくリアルの(実店舗の)ショッピングモールですから、インターネットのように簡単にデータを取得することができません。おそらく調査会社のスタッフの方がショッピングモールの入り口で「日本野鳥の会」式にカウンターをカチカチ押したり、お客様に直接アンケートをとったりしたのでしょう。インターネットを知っている人間からすると驚くような金額を調査会社に支払っているハズです。

 ショッピングモールに見せてもらったデータはあまり覚えていませんが、たとえばこんなデータがあったことは覚えています。

★ショッピングモールの来店者の男女比
 → 男性30% : 女性70%

 このデータは「交通量調査」式にカウンターをカチカチ押してデータをとったのだと思います。

★ショッピングモールに来店した方が読んでいる新聞
 → 朝日30% : 読売25% : 毎日15% : 産経10% : 日経10% : 他10%

 このデータはおそらくスタッフの方がお客様に直接アンケートをとったものだと思います。

 このような「ショッピングモールの来店者の男女比」「ショッピングモールに来店した方が読んでいる新聞」といったデータが見せてもらった資料にはいくつも載っていました。すごくお金がかかっていそうな調査データです。

*この調査データからわかることは何か

 これらの調査データからどんなことがわかるか、これからどんなアクションを検討した方がいいのか、「データの専門家(??)」である(と思われている)ECMJ石田に聞きたいというのです。「一応、我々としては調査データをみて、こんなことを考えていたんですよ」と、ショッピングモールの皆さんの考察も見せてもらいました。その上で、私が伝えたのは・・

「このデータはアクションに繋げることができない」

 ということでした。調査したその日、ショッピングモールがどのような状況にあったか「現状把握」をするためのデータにはなっているけれども、これだけでは次のアクションを検討するための材料にはならない、ということです。

 それはなぜか。データというのはあくまで「結果」です。「結果」には必ずそこに至った「原因」があります。この「原因」こそが次のアクションを検討することに繫がっていきます。調査データという「結果」を眺めることだけではなく、大切なのはその裏側にある「原因」を探すことです。だから、調査データはアクションには繋がらないのでした。