ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

データ分析をアクション(施策)に繋げるための考え方。その2【no.1559】

 データ分析をアクション(施策)に繋げるための考え方。第二回です。

*ビッグデータのシステムを導入した会社が困ること

 前回はショッピングモールの調査データを事例に「データとアクションの関係性」について解説をしました。数年前からトレンドになっている「ビッグデータ」。データを収集・集計・可視化することで経営に役立てようという動きです。このビッグデータのシステムを導入した会社の多くが困っていることがあります。

 それは次にどんなアクションをすれば良いのかがわからない」ということです。これは前回の事例でも書いた「現状把握」としてデータを活用している状態です。いま会社や事業がどうなっているかはわかるけれどもそこまで、という状態です。

 事例のモールもビッグデータに困っている会社も考え方を変えることが必要です。それは「データ活用」とは「現状把握」のためだけにデータを使うのではありません。「成果検証」のためにもデータを使うということです。そのデータ活用で「次のアクション」が少しずつ見えてきます。

*「成果検証」のためのデータ活用とは何か

 データというのはあくまで「結果」です。「結果」の裏には「そうなった理由」が必ずどこかにあります。それは明確な理由かもしれませんし、「たまたま」という不明確な理由かもしれません。いずれにせよ理由があります。これが「原因」もしくは「要因」です。「成果検証」のためのデータ活用とは、「結果」から「原因」を探していくことです。

 「現状把握」のデータ活用は、データを集計した「結果」を確認すれば問題ありません。「成果検証」のデータ活用をおこなうためにはもうひとつの要素が必要になります。「結果に効いている可能性があるものとして、どんな原因が考えられるか」。この仮説と仮説を確かめるための行動が必要になるのです。

 「現状把握」より「成果検証」のデータ活用の方が一歩踏み込んだ分析になります。その分、「次のどんなアクションをとれば良さそうか」に繋げていくことできます。この「次のどんなアクションをとれば良さそうか」こそ「仮説」そのものです。

*「成果検証」のデータ活用の流れを知る

 「成果検証」のデータ活用をおさらいします。「現状把握」のデータ活用は「現在のデータ」だけを確認すれば問題ありません。「成果検証」のデータ活用では「現在のデータ」と「過去のデータ」を比較します。この「比較する」というところが「成果検証」のポイントになります。

 まずは「同一期間同一条件」の「過去のデータ」と「現在のデータ」を比較します。たとえばWEBサイトのデータ分析です。「オンラインショップに1週間でアクセス(来店)したデータの集計」などと考えます。「過去のデータ(=前週のデータ)」が1,000アクセス、「現在のデータ(=今週のデータ)」が1,500アクセスだったとします。

 この「過去のデータ」と「現在のデータ」を比較すると「500アクセス」の差異があることがわかります。ここではこの差異のことを「変化」と表現します。アクセスを1週間ごとで集計したデータに、「500アクセスの変化」があったわけです。まずここに気が付くことが「データ活用の第一歩」になります。

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カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 5.Eコマースの分析

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。