転換率よりも「受注件数(注文件数)」の分析を頑張ろう【no.1621】

 少し前に「転換率(コンバージョン率)とは何者か?」というようなコラムを数回に分けて書きました。結論としては「転換率の是非を考えるのは難しい!」という話になってしまうのですが、転換率を考えるのが難しい理由として挙げたのが「割り算(受注件数÷アクセス数)」で計算されるものだから、なんですね。

 「割り算」で計算される転換率という数字が上がるのには理由があります。ひとつは分子が増えること。分母であるアクセス数が一定だったとして分子である受注件数が増えれば転換率は上がります。もうひとつは分母が減ること。分子である受注件数が一定だったとして分母であるアクセス数が減れば転換率が上がります。

 「転換率が上がった!」と喜んだとしても、後者のケースのような「アクセス数が減っただけ」だったとしたらあまり喜ばしい結果ではないと思います。前者のケースのように「受注件数が増えた」ことによって転換率が上がっていたとしても、実は「客単価」が下がっている状態だと「転換率アップ=売上アップ」でなかったりするわけです。

 なので、お客様の注文について検証するとしたら「転換率(コンバージョン率)」を考えるよりも、どちらかといえば「受注件数(コンバージョン)」の数字を深くみる方が、「割り算」ではない分、頭にスッと入ってきます。「実行数値管理表」で「アクセス数」「転換率」「客単価」の他に「受注件数(注文件数)」を入れているのはそのためです。

 ここでポイントになるのは「受注件数(注文件数)」をどういう切り口で分析していくか、というところなのですが、ここはEコマースの商材やビジネスモデルによって様々な切り口がありそうです。パッと思いつく切り口を紹介したいと思います。

*商品カテゴリ別

 ECMJでも「カテゴリ別販売実績管理表」の作成を推奨していますが、商品カテゴリ別に年間で数字がどう推移しているのか、改善によってカテゴリ別の比率が変わったのかなどを検証することが大切です。

*商品単価別

 商品単価別に受注件数がどう動いているかを検証する方法もあります。お客様の「客単価」や「送料無料ラインの合計金額」などを基準にして商品単価をセグメントしてみると良いかもしれません。

*アクセス数別

 「商品別販売実績管理表」の考え方にも近いですが、商品ページのアクセス数と受注件数の関係性もウォッチしていきたいデータです。アクセス数が少ない割に受注の多い商品があるかもしれません。

*新規別、リピート別

 新規でネットショップにアクセスしたお客様から受注をいただきやすい商品、リピートのお客様から受注をいただきやすい商品があります。感覚値ではなくデータで把握すると次の施策が変わります。

*バイヤー担当者別

 仕入れ小売りでネットショップを運営している場合、商品を仕入れたバイヤーさんが複数人いるEコマース事業もあると思います。受注件数をバイヤー担当者別に分けることで「どのバイヤーさんのセレクトがウケやすいか」を探すことができます。もちろん「売れてないバイヤー探し」ではありません。「ペルソナ(対象顧客)に対して、どんなバイヤーさんが、どんな商品をセレクトするのが向いているのか」これを探すためです。

*制作担当者別

 こちらは仕入れ小売りのネットショップだけではなくオリジナル商品を販売しているネットショップでも活用することができます。商品ページの制作担当者別に受注件数をセグメントして分析する方法です。こちらも「売れてない制作探し」ではありません。「ペルソナ(対象顧客)に対して、どんな制作担当者さんが、どんな商品を制作するのが向いているのか」これを探すためです。

 以上、6つほど受注件数の分析セグメントを考えてみました。ぜひ自社の商材とビジネスモデルにあった分析方法を考えてみてください。