著者:石田 麻琴

マーケティングにおける「広告投資」の考え方。後【no.1759】

 「広告投資」についての後編です。

 前編では「広告投資」の役割について、「マーケティングの『判断材料』としての広告投資」をご紹介しました。後編では「実をとる広告投資」について考えていきます。

*CPAとLTVの考え方を知っておく

 「広告投資」が果たす役割は「認知の拡大」と「売上アップ」のふたつが主になると思います。「認知の拡大」については、そのリーチ数が目標達成の指標になりますが、「売上アップ」を目的としたときに知っておきたいのがCPAとLTVのふたつの考え方です。これはECMJコラムを継続して読んでくれている方だと「またか!」という部分があるかもしれません。

 CPAとLTVの違いをシンプルに解説すると、「広告費がペイしているかを広告掲載の時点だけで判断するのがCPA」で「広告費がペイしているかをお客様の継続で判断するのがLTV」になります。あくまでシンプルに表現した場合です。CPAが「Cost Per Acquisition/Cost Per Action」の略、「売上アップ」を広告投資の目的とするならば「Cost Per Acquisition」の方が近いです。また、LTVは「Life Time Value」です。Life Time Valueは広告以外のところでも聞いたことがある言葉かもしれません。

 当然ですが、CPAに比べてLTVは長いスパンでの収益化を考えるので「広告投資」の考え方としてはLTVの方が若干ユルくなります。

*大切なのはデータを残しておくこと

 「広告投資」の判断をCPAでする場合もLTVでする場合も、大切になるのが「広告投資」のデータを残しておくことです。「当たり前だ!」と思われるかもしれませんが、「広告投資」はお金をかけておこなうアクションなので、どこか「お金をさらにいくらかけるか」の話になりやすく、「広告投資」後には広告の検証というよりも「次、何の広告にお金をかけるか」という雰囲気になりがちです。

 広告はどうしても気持ちを前に前にいかせてしまいます。「広告=お金」ですが、人は「お金を掛ける」ごとにお金に支配されていってしまうのです。これが「広告は麻薬」と言われる所以です。自分たちが広告について麻痺してしまいます。ここは冷静に「広告投資」を分析し、そのデータを残しておきましょう。

 データとして残すのは、「いつ(期間やタイミング)、どの広告(リスティング広告やアフィリエイト広告)に、どんな情報(画像やテキスト、製品やサービス)を掲載し、どれくらいの成果(アクセスやコンバージョンや売上)が出たか」です。これはどのような広告に出稿したとしても残しておきたい普遍のデータです。逆に、このデータを残さずに次の「広告投資」をスタートしていたら、それこそ「タチの悪いギャンブル」になってしまいます。

*いずれにせよいつか「広告投資」は必要

 「1→10」にするためか「10→100」にするためか「100→10,000」にするためか、いずれにせよいつかどこかで「広告投資」は必要になります。ソーシャルメディアやコンテンツマーケティング(オウンドメディアサイト)などの活用でインターネット上から「お金ではなく時間というコスト」で認知を拡大できる方法も広がっていますが、再現性や確実性を求めるならば「広告投資」は欠かせません。

 ソーシャルメディアの活用はあくまでその拡散の判断は「情報の受信側」にあります。またコンテンツマーケティングは集客につながるまでにどれくらいの時間を要するかの明確な基準がありません。「広告投資」ならば、成果の検証をおこないながら再現性のある確実性の高い広告とその見せ方の方法を探していくことができます。

 そしてその方法が見つかれば、「商品力(サービス力)×提案力×集客力」の計算式の「集客力」を倍、3倍と上げていけばいいのです。ここまで到達すると、ビジネスとして非常にシンプルです。もっともここまで到達するのが大変なのですが。。