著者:石田 麻琴

「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」を早めに伝える【no.1762】

 仕事は個人の力だけで解決するものは少なくて、上司や部下、他の部署、取引先や外注さんの力を借りて成果につなげていくことがほとんどだと思います。いわば「チームワーク」が大切になるのですが、チームで仕事をすすめる上で大切になるのが、「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」を早めに知っておくことだと思うんですね。

*やっかいなのは「チームに知られたくないこと」

 やっかいなのは「チームに知られたくないこと」だったり「チームに教えたくないこと」が誰しもあるところです。それは不正を働いているとか悪い情報を流しているとかそういうことではなくて、誰しも「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」があると思います。レベルや程度の差はあるとしても、上司にも取引先にも「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」があるはずです。

 ただ、人の気持ちとしてはあまりネガティブ要因は「教えたくない」し「知られたくない」ことだと思います。なので、本当は「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」なんだけども、それをかわすような議論の方向にもっていったり、実行プランから自ずと避け続けたりすることになるんですね。これは人間なんで仕方がないことだとは思います。

*不幸なのは上司やチームリーダーが強がること

 人間だから仕方ないことではあるんだけれども、上司やチームリーダーが「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」を避け続けたり、苦手ではないように見せ続けたりすると、不幸な結末をむかえることになる可能性があります。本当はそうではないのに、「わかる」「できる」「問題ない」を繰り返していると危ないじゃないですか。特に、「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」を解決できないことが本質的な問題だったりした場合。

 これは上司やチームリーダーだけの話ではなくて、取引先や外注さんでも同じことが言えるのではないかと思います。やっぱりお客様からもっと必要とされたくて、また仕事が欲しかったりもして「わかります」「できます」「問題ありません」を繰り返してしまうところってあるじゃないですか。もしかしたらそれも営業のひとつのテクニックなのかもしれませんし、まずは仕事を請けてから解決策を探すのもひとつの手なのかもしれませんが、自分達の守備範囲を明確にしないと後から自分達が苦しむことになりますよね。お客様にも迷惑がかかりますし。

 この「守備範囲を明確にする」ことこそ「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」を伝えることなのかもしれません。

*上司やリーダーは「苦手なこと」をチームに伝える

 取引先や外注さんはその特性や得意分野に合わせて取捨選択をすることが可能ですが、部下にとって上司やチームリーダーは基本的に自分達で替えることができない存在です。なので、上司やチームリーダーの「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」がなんとなく見えていたとしても、「わかる」「できる」「問題ない」を繰り返していた場合、本人が気づくまで、もしくはさらに上司(経営陣)が判断をするまで「同じ泥船にのり続けなければいけない」ということもあるわけです。

 上司やチームリーダーこそ、「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」を早めに部下やチームメンバーに伝えるのはどうでしょうか。チームに対してブラックボックスを無くすため、チームを円滑に着実に前進させるためです。もちろん、最終成果の責任は上司やチームリーダーが持つわけですから、「苦手なこと、嫌なこと、やりたくないこと」をメンバーに伝える行為は「チームへの甘え」にはならないと思います。できるだけ早めに伝えた方が、非常に「気持ちが楽」になります。