著者:石田 麻琴

定番ロングヒットを作るために考えること。①【no.1800】

 「ヒット商品」をつくること。これが売上の成長だけでなく、ブランドの認知や集客にもつながっていく。これはEコマースに限らず、あらゆる商売の基本なのではないかと思います。

 過去のECMJコラムで何度か書いたことなのですが、「人はブランドを知り、商品(サービス)を知る」のではなくて、「人は商品(サービス)を知り、ブランドを知る」。ユニクロやトヨタ自動車のようなブランドとして確立している企業ならまだしも、こと中小企業であれば「人は商品(サービス)を知り、ブランドを知る」になるはずです。

 振り返れば、ジーンズメイトやライトオンと同じカテゴリだと思われていたユニクロは「フリース」や「ヒートテック」というヒット商品でブランド認知を拡げたし、ジャニーズ事務所というブランドよりも「SMAP」や「嵐」というコンテンツを先に知った人の方が多いのではなかろうか。私の場合、世代的に「光GENJI」だけれども。

 ということで、今回は「ヒット商品」をつくるために考えること、というテーマを書いていきます。

*ショッピングモールの「原理」について理解する

 Eコマース、特に楽天市場やYahoo!ショッピングなどのショッピングモールで販売を展開していくとき、特に「ヒット商品」の存在が重要になります。「ヒット商品をつくるために何を考えるか」という実践策の前に、まずはショッピングモールの「原理」について理解を深めていきましょう。

 インターネット上にネットショップを開店したとして、開店しただけではお客様はアクセスしてくれないし、商品も売れないのはご存じのとおりです。実店舗であれば店舗の存在そのものが、認知や集客の役割もはたしてくれるのですが、いつどこでどんなネットショップが開店したかは誰も知りません。「店舗をつくる仕事」と「知ってもらう仕事」を両輪で展開しなければいけないのがEコマースの面白さ。

 ショッピングモールでも自社サイトでもネットショップにアクセスするお客様は「ふたとおり」です。あなたのネットショップを元々知っていてアクセスするお客様と、あなたのネットショップを知らずに(流れの中で)アクセスしたお客様の「ふたとおり」です。この比重についてはショッピングモールと自社サイトで異なるのですが、今回の要旨ではないので他のコラムをぜひお読みあれ。

 ポイントになるのは、後者の「あなたのネットショップを知らずに(流れの中で)アクセスしたお客様」をいかに増やすかです。ここに「ヒット商品」の存在が関わります。

*お客様はどこからやってくるのか

 ショッピングモールのお客様はどんな経路をたどってネットショップにやってくるのか。

 先ほどの「あなたのネットショップを元々知っていてアクセスするお客様」とインターネット広告(ショッピングモール内外含む)を除くと、その多くが「検索流入」です。検索流入とはご存じのとおり、ショッピングモールの検索バーからキーワード検索をおこない、検索結果の一覧を経由してあなたのネットショップにやってきたアクセスです。

 「ヒット商品」はこの検索流入を太くします。いわゆる「導線」というやつです。ヒット商品が売れればショッピングモールでの検索順位(検索結果の表示順)が上がり、よりお客様に見られるようになる。よりお客様に見られることで、より売れるようになる。さらに検索順位が上がる、見られる、売れる・・というプラスのサイクルをつくることができます。

 そして実は逆のことがショッピングモールでは同時に起こっています。売れなくなった商品は検索順位が下がり、よりお客様に見られないようになる。よりお客様に見られなくなると、より売れなくなる。さらに検索順位が下がる、見られなくなる、売れない・・というマイナスのサイクル。このあたりは日々検索順位を追っかけていればなんとなく感じ取れるようになります。

 ショッピングモールでのEコマースにおいて、「ヒット商品」は売上と同時にアクセスにも大きく影響するということですね。