著者:石田 麻琴

LTVとCPA、算出のポイントと注意点、通常業務での活用法。前【no.1810】

 LTVとCPAというふたつのマーケティング用語はご存じでしょうか。インターネットマーケティング、デジタルマーケティングを展開している会社さんならば、できれば知っておきたい言葉なのですが、このふたつのマーケティング用語について、その活用法も含め解説したいと思います。

*LTVとCPAの言葉の意味を知ろう

 ご存じの方には釈迦に説法の話になってしまって申し訳ありません。

 LTVは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の頭文字3文字を取った略語で、日本語でいうところの「生涯顧客価値」。ただ、この「生涯顧客価値」って言葉、なんだかわかりづらいですよね。もっとシンプルに「1人のお客様が使ってくれる売上合計」などと考えてもらえれば良いと思います。この「1人のお客様」というのはBtoCの場合であり、BtoBの場合は「1顧客、1社」みたいな表現になります。

 たとえば皆さんの会社が化粧品のEコマースをやっていたとして、お客様1人あたりの平均購入単価が4,000円、平均購入回数が3.5回だとしたら「4,000円×3.5回=14,000円」。これが「1人のお客様が使ってくれる売上合計」つまりLTVになるわけですね。「うちのLTVは14,000円です」みたいな表現をします。

 続いてCPAは「Cost per Acquisition」の頭文字3文字を取った略語・・という説と、「Cost per Action」の略語という説のふたパターンがあるのですが、こちらは日本語でいうと「顧客獲得単価」ということで同じです。なので細かいところは無視して「CPA=顧客獲得単価」と覚えてもらえれば良いのではないかと思います。この言葉は「生涯顧客価値」よりはわかりやすいですよね。「1人(1社)のお客様を獲得するための費用」ってことです。

 たとえば皆さんの会社がマーケティングツールを提供する事業をやっていたとして、100万円のインターネット広告をかけたとします。その広告を経由して10社のお客様が契約をしてくれたとしたら「100万円÷10社=10万円」。これが「1社(1人)のお客様を獲得するための費用」であり、CPAになるわけです。「今回のインターネット広告のCPAは10万円だったね」なんて話をします。

*LTVとCPAのデータ算出方法のポイント

 ちょっとわかりづらいのがLTVとCPAのデータ算出方法です。

 先にCPAのデータ算出方法の話をしますが、こちらはシンプル。上記にも書いたとおり、「広告宣伝・販促にかけたお金」を「獲得した顧客数(人数、社数)」で割ればCPAを算出することができます。具体的な活用は後述しますが、年間の広告宣伝費からCPAを算出して指標化したり、個々の広告宣伝アプローチからCPAを算出してその効果を判断したりします。

 ちょっと厄介なのがLTVのデータ算出方法です。先に紹介したとおりLTVとは「1人のお客様が使ってくれる売上合計」なのですが、これって「利用の始まり」だけではなくて「利用の終わり」がわからないと明確な数字を出すことができないんですね。「このお客様はもうウチのサービスを利用しないお客様だ」なんて言いきれないじゃないですか。

 継続性があるスポーツジムとか、定期購入サービスとかサブスクリプション的なものについては「利用の終わり」がわかりやすいのですが、一般的なBtoC、BtoBサービスでは「終わったのか否か」がわかりません。なので、前提として「1年以上購入がなかったら一度離れてしまったお客様とする」みたいな定義をつくっている会社さんもあります。LTVを明確にするために、ですね。

 そしてLTVのデータ算出をするときにもうひとつ気にすること。「利用の始まり」が近いお客様は算出するデータから抜く、ってことですね。「昨日利用してくれたお客様は、いきなり今日利用してくれないでしょ!」ってことですね。LTVのデータ算出は、その算出条件を定義しなければいけません。

 後編に続く。