著者:石田 麻琴

「自社にはチャンスがある」と思うこと。理由は探すor作る。【no.1818】

 新型コロナウィルスをきっかけにした経済的な問題がいよいよ深刻化しています。

 BtoBのマーケティング活動においても、お客様の往訪や来訪の禁止、展示会やイベントやセミナー講演の中止もしくは延期、BtoCビジネスにおいても飲食業や旅行業は大打撃の状態です。経済の先が見えない中で先行投資も難しいところでしょう。不況の時代に向けて、できる限りキャッシュ(現金)を残しておきたいという気持ちもあります。

 こればかりは政府の発表をきっかけにした経済活動の巻き返しを待たねばいけない部分もあるのですが、今回の問題は人間の感情や心理に入り込んでいるため、アフターコロナがビフォーコロナの状態に戻ることはないでしょう。

*市場は「ゲームチェンジ」の流れになっていく

 経済が悪い、景気が悪い、というのが全般的な話ではありますが、部分部分をみると必ずしもそうでもなさそうです。

 ひとり暮らしのサラリーマンが多い地域では、街の飲食店が繁盛しているようです。会社がリモート・テレワークを推奨しているからです。オフィス街の飲食店は閑古鳥が鳴いていますが、人が住んでいる地域の飲食店では実はそうでもないのでしょう。

 会合や懇親会など仕事関連の外食の予定がなくなり、自宅で食事をする社会人も増えています。地域のスーパーマーケットは(トイレットペーパー、ティッシュの影響もあるのかもしれませんが)客数が増え、それなりに潤っているようです。

 また、オフィス街の飲食店においても、ディナーのお客様を対象としているお店は厳しい状態が続いていますが、Uber Eats(ウーバーイーツ)に対応しているお店についてはランチ需要を確保しているところもあるというのです。危ないのは「ウーバーイーツ?なにそれ?」といっている年配店主の飲食店なのかもしれません。

 マスな情報だけを聞いていると、全体が同じように悪くなっていると感じるのですが、もうひとつ下のカテゴリや個別のケースを読み取っていくと全員がヤバいわけではありません。逆にいえば、市場のゲームチェンジに乗ることで自社を逆回転(好回転)にのせていくことも可能ということです。

 本質的な問題は何かといえば、それは不況自体ではなく、市場の変化(チェンジ)に対応できない「自社自身」ではないでしょうか。

*自社にはチャンスがある、と思うこと。理由を探すこと、作ること。

 まず大切なのは、新型コロナウィルスの問題、そこからつながっていく不況、市場環境の変化に対して「自社にはチャンスがある」と思うことです。最初は「思う」だけで大丈夫です。理由は後から探せばいいのです。やってはいけないのは「自社はもう終わりだ」と『思考停止』をしてしまうことです。

 同じような業種、同じような業界、同じような状況でも上手くやっている会社は必ずあります。上手くではなくても、最低限の被害でおさめている会社は必ずあります。なぜなら、新型コロナウィルスの問題が起きても、不況に入っても、あなたの業種・業界のビジネスの市場規模はいきなり「ゼロ」にはならないからです。

 まずは「この状況だからこそ、自社にはチャンスがある」と思うこと。そして自社の取り組みの中から、「チャンスの理由」を探すこと。自社の取り組みの中に「チャンスの理由」がなくても終わりではありません。ゲームチェンジに合わせた「新しい理由」をつくればいいだけです。その「新しい理由」をつくる気持ちさえなければ、不況は関係なく、いずれ市場から撤退となります。

 ECMJの顧問先でオンライン商談の環境をつくることを決めた実店舗があります。ホームページを強化して何年も前から全国に情報発信している実店舗ですから、むしろ「なんで今までオンライン商談を検討しなかったのか!?」というくらいです。今回のゲームチェンジを通じて、「新しい理由」をつくればいいだけです。もしかしたら単に「わかっているけど、取り組んでなかったこと」かもしれません。

 もう一度言いますが、市場規模はいきなり「ゼロ」にはなりません。「先に辞める」のはいつでも企業の方です。