著者:石田 麻琴

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。31【no.1919】

 前回コラム(no.1918)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「外注パートナーの活用方法とポイント」についてご紹介しました。今回は「Eコマース事業拡大の広告投資」についてお話します。

 Eコマース事業を成長させるために欠かせないのが広告の活用です。前提として売れ筋商品(ヒット商品、メガヒット商品)の把握や、売れ筋商品のコンバージョンを最大限高めておくこと、検索対策やソーシャルメディアの活用など「頭をつかって汗水をながして」マーケティングを展開する習慣をつけておくことが大切ですが、それでもEコマース事業を拡大させるための行先は広告の活用ということになります。

 つまるところ、売れ筋商品があり、ある程度のコンバージョンが見込める状態であれば、「商品力×提案力×集客力=売上」の公式のとおり、商品やサービスを知っている人を増やすことが事業拡大のセオリーになってくるからです。そして検索対策やソーシャルメディアの活用といった「知恵やアイデア」を使って拡散する方法ではなく、「お金をつかってお客様に知ってもらう」そして「利益をお客様に知ってもらうために再投資する」というビジネスのサイクルをつくっていくことが必要になるのです。

 広告投資をおこなうために理解しておきたいのがCPAとLTVの考え方です。ECMJコラムでは何度かこのCPAとLTVについて書いていますが、再度簡単に説明をします。CPAは「コスト・パー・アクイジション」のこと。日本語に訳すと、「成果の1件あたりの獲得コスト」です。100万円の広告投資に対して、1,000件の注文が取れたとすれば、CPAは100万円÷1,000件で「1,000円」と計算することができます。

 LTVは「ライフ・タイム・バリュー」で、日本語では「顧客生涯価値」と表されます。お客様が生涯で合計していくらネットショップにお金をつかってくれるのか、という想定値です。この「生涯で」というところがポイントであり、Eコマース事業の場合は「お客様がサービスから離れてしまったのか」がわかりません。1年2年ネットショップを利用しなくても、思いついたかのようにポッと利用を再開するケースもあるのです。LTVは新規顧客の範囲をせばめ、特定のお客様がその後どう推移しているのかをみていきます。

 広告投資をおこなう際、CPAとLTVを頭に入れておきましょう。当然、CPAは低ければ低いほどEコマース事業にとっては良いことであり、LTVは高ければ高いほどEコマース事業にとって良いことであるといます。もしEコマース事業においてCPAとLTVの基準をつくるとするならば、それはネットショップで販売している商品の原価率です。商品原価率が高いか低いかによって、許容されるCPAとLTVが変わってきます。もちろん商品原価率が低い方が、より広告戦略に向いているといえます。

 もうひとつ。ここでは「広告投資」という言葉を使っていますが、この広告投資はインターネット広告だけを指すものではありません。新聞や雑誌、テレビやラジオなど既存メディアやイベントや展示会出展などによる販促も広告投資の中に含まれます。Eコマースだからインターネット広告、と決めつけるのではなく、自社のユーザーに合った広告投資先を探していく。広い目線で集客戦略を考えていきましょう。

 ただし、忘れてはいけないのが、必ず広告投資に対する効果を検証しなければいけないということです。広告は「=お金」ですから、利益の中から使っているのと一緒です。そういった点でいうと、インターネット広告は非常に効果検証がしやすいマーケティング方法だといえます。