ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!EC成長の法則。32【no.1920】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1919)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!EC成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「EC事業拡大の広告投資」についてご紹介しました。今回は「市場環境への対応と競合対策」についてお話します。

コロナ禍によって売れ出した商品

 ECは市場環境の変化や競合の動きが自社の売上に大きく影響するビジネスです。今回のコロナ禍によって多くの商取引が電子化されていきました。いままでの「対面して会議」「店舗にいって商品購入」がガラッとオンライン化していった。これは皆さんも体感されていると思います。実際に2020年4月の緊急事態宣言以後は、アクセスや売上が数倍になったというECも少なくありません。

 コロナ禍によって売れ出した商品として「筋トレグッズ」があります。緊急事態宣言や自粛ために多くのフィットネスジムが休業、営業時間短縮になりました。また、様々な人が集まるフィットネスジムに行きたくないという思考もあります。自宅で身体を鍛えるというニーズが高まったのです。在宅ワークで身体がなまっているという新しいニーズもあったのかもしれません。とにかくECにおける「筋トレグッズ」のニーズが一気に高まりました。

「自社はこうだ」と決めつけない姿勢も大切

 逆に、コロナ禍によってニーズが下がってしまった商材もあるわけです。EC事業を展開する上で「自社はこうだ」と決めつけない姿勢も大切なのかもしれません。オンラインショップの「差別性」「付加価値」とも関わってくる話です。仮にオンラインショップのコンセプトが「シニア女性のためにナチュラル系グッズ」だとすれば、外出需要もご自宅需要も「商品力×提案力」で両方ともカバーすることができます。これが「パーティー用ドレス専門店」だと外出需要しかカバーできません。市場環境に対応したEC事業をつくっていきたいところです。

 そして同じように重要なのが競合対策です。ECの特徴のひとつは「オンラインショップ同士の比較が容易」であることです。実店舗ならば「時間とお金をかけて様々なお店を回るより、少し高くてもここのお店で・・」「違う店舗にいってみて在庫がなかったら戻ってこなきゃいけないし・・」というような思考が働きます。しかしECではスマホやパソコンをクリックするだけですぐに他のショップにアクセスすることができます。

まずは競合の情報を共有する時間をつくる

 「わからないことがあったら何でも聞いてください!」的なオンラインショップがあります。しかしお客様は「わからないこと」があってもショップには連絡をしません。「わからないこと」について説明をしているオンラインショップを探すだけなのです。

 たとえば、「このお店、在庫数が8コまでしか買えないけど100コ買いたいんだけどな・・」と思ったなら、まずは「まとめ買い、業務用のご対応もできます」と表記してあるオンラインショップを探します。お客様はできるだけ自力で解決しようとするのです。それが競合オンラインショップへの遷移になります。

 EC事業を成長させるためには定期的に競合のオンラインショップをチェックすること。その中でどこが「選択動機」になりえるか、を考えなければいけません。まずは定例の会議で競合の情報を共有する時間をつくるところから始めてください。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。