ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!EC成長の法則。34【no.1922】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1921)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!EC成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「顧客軸のマーケティングの展開」についてご紹介しました。今回は「顧客軸のマーケティングの活用」についてお話します。

「顧客軸のマーケティング」をいかに活用するか

 前回のコラムでは「顧客軸のマーケティングの展開」とはなにか。その概念について説明をしました。従来のマーケティングは「商品軸のマーケティング」です。デジタル・インターネットの登場が「顧客軸のマーケティング」を実現しています。そして我々が取り組んでいる「EC」こそ「顧客軸のマーケティング」の最たるものです。市場環境の背景も後押しし「顧客軸のマーケティング」の強化がより重要になります。CRMやSFA、AIやMAはすべて顧客を軸としたマーケティングツールです。

 さてECにおいて「顧客軸のマーケティング」をいかに活用するのかという話です。顧客を軸としたマーケティングの基本といえるのが「リピート率」の計算でしょう。リピート率やリピート数は顧客データを保有していないと算出することができません。従来型のコンビニのマーケティングでは、リピート率を計算できないわけです。

「レコメンド機能」が顧客軸の代表例

 リピート率といっても、初回購入から2回目のリピート率、3回目以上のリピート率、商品やサービスごとの複数購入ど、切り口によって計算方法が変わってきます。もっとも一般的だと考えられる「初回購入から2回目のリピート率」の場合です。「初回購入者のうち2回目の購入をおこなった人の人数」を「初回購入者数」で割ることによって算出されます。このような感じで計算方法も様々です。

 また「顧客データ×受注(注文)データ」の掛け合わせで、「初回購入で●●を購入したお客様はその後もリピートする(2回目の購入につながる)可能性が高い」だったり、「初回購入で●●を購入したお客様は2回目の購入で▲▲を購入する可能性が高い」だったり、といったデータを算出することができます。これは「顧客データ」というものが存在するからこそできる技です。従来のマーケティングでは単に「商品の売れ筋順」というような分析しかできません。

 ちなみに「顧客データ×受注(注文)データ」の掛け合わせにおける、「初回購入で●●を購入したお客様は2回目の購入で▲▲を購入する可能性が高い」というマーケティング分析の使いどころ。これはショッピングモールで見られる「レコメンド機能」があげられます。あなたと同じ興味の人はこんな商品を購入しています(見ています)のアレですね。このマーケティングの仕組みは顧客軸のマーケティングの代表例といえます。

中小のEC事業でもマーケティングはできる

 中小のEC事業においても、発想さえあれば「顧客データ×受注(注文)データ」で様々な提案をすることが可能です。高額なツールを導入しなくても、月額1万円ほどのツールもあります。自社のデータからエクセルやアクセスを使って分析と提案をおこなうこともできます。すべては「顧客軸のマーケティング」という観点があるか否かだけです。

 中小のECの場合、初回購入の商品はほとんどのケースで偏ります。導入の商品(エントリー商品)を購入したお客様がその後どのような購買行動をしているかを分析して、2回目の購入をしてもらうために「いつどの商品をどのように提案したらよいか」このあたりから取り組んでいくのがシンプルで良いと思います。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。