ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

スマートフォンのECはユーザーの動きが異なる。前【no.1935】

 スマートフォンのECはユーザーの動きが異なる。前編です。

 商材によってパソコンが中心のECになるか。それともスマートフォンが中心のECになるか。それは様々です。ただEC全体のトラフィックがスマートフォンに偏ってきているのは事実。もう10年くらい前からの傾向なので、いうまでもありません。

ユーザーは「検索結果とページを行き来する」

 スマートフォンのECの特徴のポイント。それはユーザーが「検索結果とページを行き来する」ことです。パソコンのような「サイドナビ」や「ヘッダー・フッター」を活用する効果がありません。これをどうやって対策をしていきましょうか、というのが今日の話です。

 まず「検索結果とページを行き来する」をもう少し説明する必要があるかと思います。たとえばショッピングモールでのECの場合です。「ああ、スマホ買い替えたし、保護ガラスを貼らんとなぁ」。そう思って、スマートフォンで「iPhone 保護ガラス」と検索したとします。検索結果として「iPhone 保護ガラス」にヒットしたものがずらり並びます。ここまではショッピングモールの画面です。

 ユーザーは検索結果の一覧を上からパパパっとみて、気になった商品をクリックします。ほとんどの場合、このときにユーザーがみているのは「商品画像」です。それも「メイン画像」なんて表現をされる画像です。商品画像をみて気になった商品をクリックするのです。商品価格(価格が自分の予算感に合っているか)や配送スピード(すぐに発送されるのか)もなんとなくは確認するかもしれません。ただこの時点では商品画像がもっとも強い訴求の要因です。

ユーザーがオンラインショップ内を回遊しない

 検索結果の一覧から気になった商品を「直感的に」探す。そしてその商品をクリックする。そうするとオンラインショップの商品ページにユーザーがやってくる。ここでやっとショッピングモールの画面から自社のオンラインショップに入ってきます。別の表現をすれば、ここでやっとショップのアクセス数に「1」が足されるわけです。

 で、ユーザーはこの「iPhone 保護ガラス」の商品ページを上からみていきます。商品ページが興味をそそるものであればページを上から下まで見てくれます。「あれ?ちょっと思ったのと違ったな」と思われたら、商品ページをスクロール(スマホの場合でもスクロールという表現でOK?)することなく、検索結果の一覧の画面に戻ってしまいます。そう。「検索結果とページを行き来する」のポイントはここです。

 パソコンの場合は商品ページにヘッダー、サイドナビがほぼ必ず組み込まれています。ユーザーが「あれ?ちょっと違うかな」と思った場合です。サイドナビのカテゴリ分けなどをみて「違う商品も見てみよう~」となる可能性があります。しかしスマートフォンの場合はオンラインショップのデザインというものがほぼ存在しないのと一緒です。ユーザーの「あれ?ちょっと違うかな」という感覚の次の行動は「そのオンラインショップの中を探す」ではなくて「検索結果の一覧画面に戻る」になりがちなんですね。

検索エンジンでも同じ行動をとる

 これは自身のネットショッピングを思い出してもらえればわかるとおりです。パソコンよりスマートフォンでのECの方がユーザーの「回遊」は少なくなります。ここではショッピングモールでのECのケースについて紹介しました。自社サイトでのECの導線がGoogleやYahoo!などの検索エンジンだとすれば、スマートフォンでは同じように「検索結果とページを行き来する」ことが多くなります。そして自社サイト内を回遊してくれなくなるんですね。ここをいかにカバーするかはスマートフォンECの大きなポイントです。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。