ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

スマートフォンのECはユーザーの動きが異なる。後【no.1936】

 スマートフォンのECではユーザーの行動がパソコンとは異なりますよ、という話。後編です。

 前編ではスマートフォンでのユーザーはどういった動きをするか。「検索結果と商品ページを行き来する」をキーワードにして、回遊を説明をしました。もう少し深堀をする前にスマホECが運営者とユーザーでズレるのはなぜかという話。

運営側に感覚のズレがおきる原因

 我々、普段はECをスマートフォンでやっていることが多いと思います。ただ、いざECの運営側になるとどうしてもその改善がズレてしまうんですよね。商品や商品ページを頑張りすぎて集客や競合調査が抜けてしまう。お客様に提供する必要な情報を初見のユーザーがわかりづらい場所に書いてしまう。こんなことがあります。

 その原因は2つあると思います。ひとつは運営者は「普段から自分のショップを見まくっていること」なんですね。普段から仕事で穴が開くほど自分のオンラインショップを見ている。だから初見のお客様・ユーザーの感覚がわからなくなってしまっている。自分が初見のショップを見たときには、「あれ?配送情報が書いてあるところってどこだ?日時指定はできるよね」と思うのに。

 もうひとつはECの運営業務を「パソコン」でしていること。プライベートでのネットショッピングはスマートフォンでおこなっているのにも関わらず、仕事としてのEC運営業務はパソコンでやっている。スマートフォンでの編集や制作、開発は面倒なので仕方ないことですが。逆にこのあたりは自分の感性を磨いて、「チャンス」と捉えて欲しいところです。

「商品ページのストーリーづくり」をする

 さてスマホでのユーザーの行動はパソコンとは異なる、の解決策の話をしていきます。こちらもポイントはふたつです。ひとつは「商品ページのストーリーづくり」もうひとつは「商品ぺージで完結させる」。このふたつの考え方からオンラインショップの改善を進めていきましょう。

 まず前者の「商品ページのストーリーづくり」。これはパソコンの商品ページでも言わずもがなです。ショップにアクセスしたユーザーは「一瞬で」「感覚的に」見続けるかを判断します。特に重要になるのがファーストビューであり、やはり第一印象が大事。一番引きの強い画像をメインにもってきたり、引きが強い文言や実績を入れて商品ページのストーリーを組み立てましょう。スマートフォンの場合、「ヘッダー、フッター、サイドナビ」というデザインがありません。なので、ユーザーがより商品ページに視点を集中させます。

「商品ぺージで完結させる」こと

 もうひとつが「商品ぺージで完結させる」です。スマートフォン上にはオンラインショップの「デザイン」がほぼ存在しません。またスマートフォンの行動において「回遊」は下がります。スマートフォン上で「必要な情報」を探すのはとても面倒なんですね。画面上でユーザーに提供できる「リンク数」がどうしても少なくなります。

 お客様が知りたい情報が埋もれていた場合です。結果どうなるか。「そのオンラインショップを離れ他のオンラインショップで探す」です。お客様はがんばって回遊したり、ショップに問い合わせをしてくれたりはしないんですね。そう考えると大切になるのが、「商品ぺージで完結させる」です。これは「お客様が商品の購買を決めるための情報を商品ページで完結させる」の意味と考えてください。みなさんのオンラインショップではどんな改善ができるでしょうか?

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。