情報発信で陥りやすい「連続性の落とし穴」【no.2203】
情報発信をおこなう際、大切なのは自分の中の「連続性」に捉われないことだ。ECMJコラムを読んでくれている皆さんには、自分で自分自身を縛らないように気をつけて欲しい。今回は「連続性の落とし穴」について。
*「それはこの前、発信をしました」問題
自社の商品やサービス、コンテンツを認知してもらうため、情報発信をおこなう会社が増えてきた。ネットを活用する場合、顧客リストを活用した「メルマガ」や、LINEIDをベースにした「LINE公式アカウント」、またInstagramやX、TikTokといった「SNS」、はたまたECMJコラムのような「ブログ」を活用して情報発信をおこなっている会社が多いと思う。
ECMJの顧問先においても、LINEやInstagramを活用して「自社のサービスを発信する」ことが多い。情報発信をおこなう際、必ず出てくるのが「それはこの前、発信をしました」問題である。
たとえば、EC事業者が自社の商品を活用した「体験イベント」を開催するとする。InstagramのTLとストーリーズに「5/4(金)の18時から体験イベントを開催」などと情報発信するわけなのだが、次の会議で聞くと「情報発信はしましたが、申し込みはきていません」という。どこか「1度情報発信をして、反応がなかったのでおしまい」的な雰囲気が流れる。これじゃダメなのだ。
*問題は「お客様は見てくれた」という勘違い
そもそも、Instagram(=SNS)のTLは流れていくものだ。どれくらいのフォロワーが情報を閲覧したのかも定かではない。またストーリーズは24時間で消えてしまう機能だ。仮に24時間以内にSNSを開いていなかったら情報として取得されることすらないのだ。ここではInstagramでの情報発信を例にして書いたが、LINEの配信やブログでの発信でも同じようなことが起こりがちなのだ。
問題は、「自分が情報発信をした=お客様(フォロワー)は見てくれた」と勘違いをしているところにある。「情報発信」と「閲覧」はまったくもってイコールの関係ではない。この話をすると誰しも一旦は理解してくれる。しかし「それは先日発信しましたし・・」みたいなことを会議で言われると、心の底からは理解していないな、となる。「自分の投稿など誰も気にしてはいない」このくらいの気持ちで情報発信にはのぞまなくてはいけない。
振りかえって自分が「情報を受信する」側だとしよう。事業者に対してのお客様やフォロワーというわけだ。事業者が発信した情報をすべてくまなく閲覧しているだろうか?事業者が発信した商品やサービス、コンテンツやイベントを「これは必要ない。面白くない」とすべて判断してるだろうか?そんなわけはないと思う。
*「しつこく」情報発信をする
事業者が発信した情報は右から左に流れていくのがほとんどであるし、「必要ない。面白くない」と思ったから情報に対して反応しなかったわけでもないのだ。お客様、フォロワーにとって、あなたの情報は人生の一部でしかない。それぞれのお客様、フォロワーは自分自身の人生を生きているのである。あなたは今日SNSでみた情報を覚えているだろうか?ほとんど覚えていないのが普通なのだ。
そう考えれば、お客様・フォロワーに気づいてもらえるまで「しつこく」情報発信をすることが正しい。というか、それしかない。少なくとも、1回の情報発信でお客様・フォロワーが何かを「判断する」ということはありえない。
人は「連続性」の中で生きている。情報発信をする側は仕事の間ずっと商品やサービスのことを考えているわけだから、どうしても「連続性」の中に入りこんでしまうのだ。しかし、お客様やフォロワーが見るのは「断片的な1点」だけである。ここを理解しないと、「その情報は先日発信したので・・」になってしまう。同じ情報でも少しポイントをズラして発信し続けるのだ。
そして、もしも、万が一、「先日も同じような内容を発信されていましたよね」とお客様やフォロワーに突っ込まれたら、その人は相当な「ファン」だ。なぜなら、過去の発信をきちんと覚えてくれているわけだから。情報発信の効果が出たと、素直に喜ぼう!
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